
学校でDMマーケティングを実施する際には、まず「誰に届けたいのか」を明確にし、そのターゲットに合ったデザインや内容のポストカードを送ることが重要です。
今回は、幼稚舎から高校までを含む12年制の宗教学校が、保護者をターゲットにDMマーケティングを行い、大きな成果を上げた事例をご紹介します。
あわせて、学校業界でもすぐに実践できるDMマーケティングの具体的な方法も解説します。
今まさに効果的な集客・広報手段を探している方にとって、ヒントが満載の内容です!
【アメリカでの事例】DMマーケティングで約12万ドルを獲得

今回ご紹介するのは、アメリカ・オクラホマ州にある宗教系の私立学校「ライフクリスチャンアカデミー」が実施したDMマーケティングの成功事例です。この学校は幼稚園から高校まで(K〜12)を対象にした一貫教育を提供しており、地域の保護者や子どもたちに自校の魅力を伝える新しい方法を探していました。
そこで取り入れたのが、ダイレクトメール(DM)を活用した集客戦略です。
送付されたポストカードには、以下のような魅力的な特典が記載されていました。
ターゲットは、学校から半径約16km(10マイル)以内にある戸建て住宅に住む家庭のうち、6歳〜16歳の子どもがいる世帯。これらの条件に合致する家庭に絞って、合計約12,000枚のDMを郵送しました。
さらに、DMと並行してGoogle広告、Facebook、Instagramでもオンライン広告を展開。クロスメディア戦略により、相乗効果を生み出しました。
その結果
広告ごとの反応は以下の通りです。
🔹 Google広告
クリック数:1,150回/表示回数:326,510回
🔹 SNS広告(Facebook・Instagram)
クリック数:578回/表示回数:22,175回
このように、DMを起点とした複合的なマーケティング戦略が非常に高い効果を発揮した事例といえるでしょう。学校関係者や教育機関にとって、非常に参考になる内容です。
成功理由:保証を約束するオファーとハガキで入学費の免除

今回のDMマーケティングで用意された「オファー」は、学校ならではの強みを活かした内容でした。
特に注目すべきは、「いじめのないキリスト教学校環境を保証する」という訴求です。
運営側からすると「そんなことが魅力になるの?」と感じるかもしれませんが、保護者の視点では非常に大きな安心材料になります。
一般的には「いじめがない環境」は言わずもがなとされがちですが、それをあえて明言することで、学校としての姿勢や信頼感が伝わります。保護者にとっては、「この学校なら安心して子どもを任せられる」と思える、判断材料のひとつになるのです。
さらに、「新入生の入学費用をDM持参で免除」という特典も非常に効果的でした。金銭的なメリットはダイレクトに訴求力があり、DMを手に取った人の行動を後押しします。
このように、安心感(保証)と具体的なメリット(費用免除)を組み合わせたオファーが、今回のDMマーケティングで高い成果を生み出した大きな要因といえるでしょう。
参考:Life Christian Academy
【すぐに使える!】学校でDMマーケティングを行うために
当サイトでは幾度となく学校を運営している事業のDMマーケティングを紹介してきましたが、実際にDMマーケティングを日本で行うとなるとあらゆる制約があることを知っていますか?
塾や専門学校でマーケティングをおこなう場合は比較的おこないやすく、ターゲットへもアプローチがしやすいのですが、高校や大学となると学生が選ぶというような関係性になっていることが多く、選ぶ時期を見極めていないと上手くアプローチできなくなります。
ほかにも、専門学校は最初からターゲットが「ここに通いたい」と候補にあげている場合は、顧客のひとりとして迎え入れやすいのですが高校の場合は金額を払う大半が保護者。つまりターゲットは学生であるものの、学生全体だけでなく高校にも視野を向ける必要があるのです。
その中で今回のDMキャンペーンで採用された
以上のオファーは大変魅力的であり、入学可能な学校の選択肢が多くある中で、このようなオファーを受け取ると「ここに入学してみようか」という購買意欲も湧きやすくなるでしょう。
日本では学校を決める際に
- 偏差値
- 家からの通いやすさ
- 制服
- 科目
- 授業スタイル
- 将来の進路に対するサポートの有無
などあらゆる選択肢の中で入学する学校を絞っていきますが、そこでオファーを加えたDMを送付することにより、選択肢のひとつとして向上しやすくなるのです。
保護者だけでなく入学する対象者(ターゲット)の購買意欲を如何にあげられるかが、学校を運営するDMマーケティングの成功を左右するとも言えるでしょう。
まとめ
今回は、幼稚舎から高校まで通える12年制の宗教学校が実施したDM(ダイレクトメール)マーケティングの事例をご紹介しました。
あわせて、日本で学校を運営されている方々に向けて、どのようなアプローチが成果につながりやすいのかについても考察しました。
学校業界においてDMマーケティングを展開する際の難しさは、何といってもターゲットが複数存在することにあります。
実際に通うのは生徒ですが、進学を検討・決定するのは保護者であり、その両者に対してバランスのとれたメッセージを届ける必要があります。
そのため、「誰に」「何を」「どのように伝えるか」という設計を丁寧に行わなければ、せっかくのDMも効果を発揮しづらくなってしまいます。
こうした状況だからこそ、魅力的なオファーを的確に活用し、ターゲットに“伝わる”アプローチを行うことが成功の鍵となります。
「この学校なら安心できそう」「ここに通わせてみたい」
そう思ってもらえるような情報と体験を、DMという媒体を通じて届けてみませんか?
選ばれる学校になるために、今こそ“紙の力”を見直すチャンスです。