DMマーケティングにおいて、心理的現象を活用できることを知っていますか?
今回のDM事例は、期間限定であることや、切迫感を意識させたDM内容により、顧客に行動を誘発させることで、大きな成果をおさめた事例を紹介するとともに、心理的現象を活用するDMマーケティングの方法を紹介しています。
【アメリカでの事例】切迫感によりターゲットの行動を促し、純売上40%向上
今回の事例は、アメリカの警備業協会である、Coast GuardFoundationでおこなったDMマーケティングについてです。
12月31日という年末に寄付を募る必要がありましたが、これまでのマーケティングではいまいち寄付者を集めることができなかったため、DMマーケティングを始めました。
2010年以来、Coast GuardFoundationは11月末に年末の寄付を募る手紙を郵送しています。これまでは特に寄付を募ることができず、失敗におわっていたのですが、2018年では、前面に「URGENT」が付いた封筒の外側に黄色の窓がある新しいパッケージをテストしました。
中には、「年末まであと5週間しかなく、2018年の募金目標を達成するには、275,000ドルを集める必要がある」と強調された黄色のフォームを明記。「緊急」という文面はとても効果的なものとなり、テストとしても、大きな成功をおさめました。
結果として、28%の増加をもたらし、総収入が27%増加するだけでなく、、純収入も37%増加する記録を残したのです。
【成果があがった理由】緊迫感を表現することにより顧客の関心をひきつける!
今回の事例での成功理由は、顧客に緊迫感を与えられたことです。
緊迫感を与えることにより、顧客は一度DMを見たときに「なんだ?」と興味と関心をひきつけられます。次に、年末という単語はターゲットによっては、年末までに手をつけなくてはいけないという連想をすることもあるのです。
つまり、共通認識で「期間限定のしなくてはいけない」という意識を植え付けることにより、顧客の行動を誘発できたといえます。これは目立つタイミングを狙うことができたということでもあるのです。
そして、「緊急性」を取り入れることにより好奇心をあおります。以上のことから、顧客の行動を誘発させることに成功しました。
参考:Regional Plumbing Business Scales While Saving Money on Direct Mail:Coast Guard Foundation
【効果爆増のDMを作るコツ】顧客の心理をコントロール
効果を爆発的にあげたいというときや成功させたいときは、消費者心理を活用するようにしてみましょう。
マーケティングではあらゆる心理学が活用されていることを知っていますか?
ここからは、DMマーケティングで特に効果を発揮し、活用できる心理学についてお話しましょう。
DMで活用できる心理学は次の5つです。
- 返報性の原理
- コミットメントと一貫性
- 社会的な証明
- 希少性
- 権威
ではひとつずつ解説していきます。
返報性の原理
返報性の原理とは、次の状況の際に発生する心理作用のことを指します。
- 人から何かをもらったとき
- デジタルなものがあふれている現代で手書きのものをもらったとき
好意や譲歩を受けた状況下でお返しをしたくなる場合のことを指し、この返報性の原理をうまく活用することで、マーケティングのみならず営業でも人に好かれる状況にもっていけるのです。
いうなれば、ギブ(give)から顧客に好かれるということですね。
コミットメントと一貫性
コミットメントとは、関わりを持つことであり、責任を持つという意味合いが強くなります。積極的に関わり、責任をもって取り組むという状況が該当するでしょう。
結果にコミットするという言葉を聞いたことはありませんか?
そして、一貫性とは、始めから終わりまで同一の主義や方法で貫き通すことを指します。
最初から終わりまで矛盾していないということですね。
コミットメントと一貫性という心理学を作用させることにより、肯定的な返答をもらうことができるのです。
社会的な証明
社会的な証明は、心理現象のひとつであり他人の行動を参考にすることです。
自分の行動の指針として、誰かの行動をお手本にすることはありませんか?
社会的な証明は、その状況を指し、マーケティングでは、選択肢を多数が選択することにより、選択する人をさらに増大させる効果を出します。
街中で行列を見かけたら気になりますよね。調べるということもするでしょう。そのときの興味関心は社会的証明の原理から引き起こされているのです。
希少性
希少性とは、需要に比べて供給が少なく、価値が高い場合にその効果を発揮する心理現象のことを指します。
例えばPS5のゲーム機ですが、生産されているものの、なかなか入手できずどの大型家電量販店を探しても見つからない、抽選にも外れてしまうとなった場合、PS5に対する価値は増大しますよね。このような状況に置かれた場合は、希少性の原理に陥っているといえるのです。
権威
権威の原理は通称、権威への服従原理といい、専門家や社会的地位の高い方からの解説を話された際に、納得せざるを得ないとき、権威への服従原理に陥っているといえます。
この心理は商品やサービスの監修、権威者からのコメント、肩書や実績などこれらの情報を目にすると自然と信頼度は上がるでしょう。DMマーケティングでもこのような、情報を活用することで、顧客に信頼を与えることができるのです。
まとめ
今回は期間限定、緊迫性をDMに活用したDMマーケティング事例とともに、心理的現象を活用するDMマーケティングの方法について解説しました。
マーケティングにおいて、心理的現象を活用する方法は成果をあげるためには効果的といえます。DMマーケティングでも有効活用できるので、新しいDMを作りたい場合は心理的現象を大いに活用してみましょう。