DMマーケティングを心理学的観点で、効果をあげる施策ができることを知っていますか?
今回は、アメリカのフードバンクの非営利団体法人が行った、これまでにない新しいDMマーケティングの事例とともに、返報性の原理を活用したDMの活用方法を紹介しています。
効果的で、新しい工夫を考えている方には特に必見ですよ!
【アメリカでの事例】対象者の手書きメモで純売上高99.98%!
今回の事例は、ニューヨーク市のフードバンク非営利団体法人でのDM事例です。
救世軍のシエラデルマール部門が中堅の寄付者の寄付を増やすことを検討し、DMマーケティングを始めました。RKDは、寄付者のために個人的に組み立てられたように見えるハイタッチパッケージを作成したのです。
RKDは、外側の封筒、手紙、返信用紙を寄付者の名前と情報でパーソナライズしただけでなく、寄付者をニューヨークの5つの行政区、ブロンクス、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、スタテンアイランドに分割しました。
DMの内容は、子供たち、子供のアートワーク、そして個人的なメモ用紙が中に一緒にクリップされています。
結果としては、ドナーと彼らが潜在的に助けることができる彼らの地域の人々との間に個人的なつながりを生み出すことに成功したのです。純売上高は前年比99.98%を記録し、平均額は67.31ドル増加。543個のギフトをもたらし、収益は34,508ドルを計上しました。
【成果があがった理由】サービスの寄付対象者がターゲットへ手書きメモ
今回のDM事例で成功した大きな理由は、フードバンクの寄付を受ける対象である子供が直接ターゲットへ送るDMに、手書きメモを同封したことにより、ターゲットにしてほしい行動を明確にお願いしたことです。
この行動により、子供たちと寄付をする人々が直接個人的なつながりを生み出すことに成功しました。潜在的に助けることができるという意識をターゲットへ意識してもらうことにより、行動誘発となったのです。
DMマーケティングで効果をあげる場合、以前からも「ターゲットにしてほしいこと」を明確にすることが重要と解説していますが、今回の場合は明確にするだけでなく、寄付対象者からメッセージをもらうことにより、寄付者が寄付対象者を助けられるという潜在的でありつつも明確な気持ちを呼び起こすことができたと考えられます。
参考:Regional Plumbing Business Scales While Saving Money on Direct Mail:Work – RKD Group
【反応2倍にできるコツ】ポストイットを加えて返報性原理を活用
効果的なDMを作るにあたって、多くの人があらゆる工夫をオファーやテストなどを経て、形を成していきますが、もっとカンタンにターゲットから反応をもらえるようになる工夫があることを知っていますか?
それは、ポストイットをDMにクリップするということです。
DMマーケティングはほとんどの場合が、デジタルで作られたものであり手書きで作成されたDMは少ないものです。また、今回紹介したDM事例でもポストイットを活用して、手書きでDMにクリップを挟みましたね。
実は、社会学者のランディー・ガーナーという学者が手書きと印刷でアンケートへの反応の違いを実験したのですが、手書きでは75%の人が反応するという実験結果がでているのです。
つまり、手書きでコメントを入れたポストイットをはさむことによって、ターゲットはDMを確認し、内容に対して納得した場合や興味関心をもったら反応を返してもらえる可能性が高くなるということでもあります。
これは、返報性の原理を活用した一種の心理的な要因で、行為を受けた場合は好意で返す必要があるという心理からくる行動です。
デジタルで全て作った内容のものは、顧客(ターゲット)も一度読むかどうかおいておき、捨ててしまうことも少なくないでしょう。ところが、手書きでポストイットをはさむことにより、心のこもった自筆のコメントと捉えられ、デジタルに染まった私たちの目には興味と感心をひきつける対象になるのです。
いわゆる、送り手の労力や気持ちを感じ取り、それに応えるべきという心理を呼び起こすというわけですね。
まとめ
今回はポストイットを活用したDM事例とともに、心理的に効果をあげるDMについて解説しました。
オファーやバリアブルDM、パーソナライズDMで工夫を施す以外にも、何か顧客やターゲットが「自然と返事を返したくなるようなDMを作りたい」という場合には、返報性の心理を活用したDMマーケティングを検討してみましょう。
ダイレクトマーケティングやエリアマーケティングから始める場合や、まだ顧客リストが明確でない場合にも、ポストイットや手書きを活用したDMマーケティングはおすすめですよ!