ドリブン分析に基づいた富裕層特化型ダイレクトメールの有用性
富裕層にターゲットを絞った広告宣伝の戦略を考える企業は多くありますが、実際のところその手法に迷っていたり行き詰まりを感じている場合が多く見受けられます。
これらの原因は主に次の2点にあると考えられます。
原因①:富裕層のターゲッティングが明確になっていない
原因②:プロモーションの広告媒体とターゲットとの間に乖離が存在している
富裕層を対象としたマーケティングでほとんどが陥る原因がこの2点であり、莫大な費用をかけて長期間あらゆるメディアを使って大々的に広告宣伝でもできるのであれば別ですが、そうでない場合はこの2点の対処がなされない限り、限定的な結果しか得られないといえるでしょう。
フリーペーパーから放送メディア、最近はデジタルインターネット広告と言われているWeb広告など様々なプロモーションスタイルの販促サービスが存在しますが、どのレベルの富裕層をターゲットとするのか、そして提供する商品や情報とターゲットとの間に摩擦が生じないかを十分に検証した上でマーケティングを進めていくことが何よりも重要です。
例えば、それが不動産や高級外車などを提案する場合だとしたら、明らかにそれを対象とする富裕層の姿である概念を視覚化し、それら富裕層特有の行動原理を理論的に分析する必要性が生じ、それに合わせた方法でアプローチしなければ心に響くどころか情報が届くことすらままなりません。
ここがおろそかになってしまうことで効果が現れず、結果コストのみがかかってしまい費用対効果が見込めなかったというよく言われる“プロモーションのワナ”にはまってしまうのです。
これは新規顧客の獲得のみならず、見込み客や一度接触のあった既存顧客の囲い込みでも言えることです。
その問題を解決し、富裕層にダイレクトアプローチを可能としてくれる方法として見直されている方法があります。
それは古典的な方法と最新のビッグデータとを掛け合わせた、当社サービスの富裕層特化型ライセンサーダイレクトメール(以下ライセンサーDM)です。
このダイレクトメールの有用性を順を追って解説してまいります。
目次
デモグラフィック分析による富裕層のターゲッティング
富裕層と言っても実は明確な定義はありません。
概念自体が抽象的なため、
年収がいくら以上と捉えるのか?
保有資産がいくら以上と捉えるの?
どのエリアの居住者に絞るのか?
といった様々な条件をまず明確に定める必要があります。
逆に言えば、どうとでも自由に決められるのです。
これら富裕層の顧客属性を分析することをマーケティングの世界では「デモグラフィック分析」といい、この分析のもととなるデモグラフィック情報(ビッグデータ)を高精度で収集しセグメントすることが勝敗の決め手となるといっても過言ではありません。
当たり前のことですがデモグラフィック分析がきちんとされないと、いくらプロモーションそのものに費用をかけても、販売どころか集客にもつながることはありません。
ではここで様々な資料や情報を集めてデモグラフィック分析も十分に行ったので、いよいよプロモーションを掛ければかなりの確度で成功するかというと、決してそんな単純なものでないのです。
デモグラフィック分析までは専門的な知識や経験がなくともある程度は駒を進めることができますが、それでも期待した数のお客様が得られず失敗に終わってしまうことが多いのは、USPが欠如しているからだと思われます。
USPとは unique selling proposition の略で消費者の購入理由となる特徴的なベネフィットを表すスローガンやメッセージ、その他の価値提案のことを指す言葉で、ブランド戦略などのマーケティングの際に使われる考え方です。
「そのスローガンや言葉はまさしく自分を指している・・・」
「このメッセージは自分に対して発信されている・・・」
そう思わせられるようなキャッチコピーをはじめとするキラーワードやキラーフレーズ(殺し文句といわれるような相手の心に刺さるもの)の作成、プロモートそのもののデザインや質感などを総称したものがUSPと言います。
この考え方は一般的なマス戦略とは異なり、特定のターゲットに向けたコア戦略であり、焦点を絞ったプロモート方法と言えますので、必然的にごく限られた対象に向けた者となります。
具体的に述べれば、先の不動産や高級外車の販促を例にすると、
「選ばれし人のための邸宅は極上の空間を提供し、
そこに佇む美庭は最高の癒しを約束します」
「時代の寵児のみがステアリングを握ることが許される、
スポーティでラグジュアリーな海外の名車たち」
といったようなキャッチコピーなどが代表的です。
それだけカスタマイズされたオーダーメードの方法ともいえるため、より高い訴求効果と反響がピンポイントで期待できるものです。
そしてこのUSPの基礎となる考え方が、富裕層特有の行動を知るということになります。
富裕層の行動パターンとその特徴
富裕層の定義が抽象的と述べたばかりではありますが、2015年にNRI(野村総合研究所)が金融資産保有額が1億円以上5億円未満の人たちを「富裕層」、5億円以上の人たちを「超富裕層」と定義し、その世帯調査を行った調査によると次のような数字になりました。
富裕層の世帯数(1億円以上5億円未満) : 114.4万世帯
超富裕層の世帯数(5億円以上) : 7.3万世帯
この富裕層と超富裕層の世帯を合計121.7万世帯は全体の2.3%を占めていて、その平均年齢は56歳とのことでした。
言い方を変えれば100人におよそ2人は1億円以上の資産を持っている富裕層ということになります。
ただし金融資産は現金がすべてではなく、有価証券など換算しなければならない代替資産も多く含まれているため、その比率がストック資産(現金に換金する必要がある資産)なのか、現金そのものであるフロー資産なのかによっても見方は変わってきますが、いずれにせよ富裕層の市場規模は想像以上に大きいと言えます。
さらに富裕層となった背景を分析していくことで、その行動パターンを大まかに把握することが可能となります。
富裕層は主に3つにカテゴライズでき、それぞれに消費行動の特徴が見受けられます。
カテゴリ①:代々続く資産家家系の富裕層
裕福な家庭に生まれ、幼少期から富はあって当たり前という概念を持っているため、浪費放漫になるか、代々続く資産を継承し守るため保守的になるか、の両極端に分かれます。
これは幼少期の親の育て方、親の考え方に大きく左右するため、完全に真逆の消費行動となるため、どちらの傾向なのかは個々人で見極めていく必要があります。
放漫浪費に走る場合は、消費意欲は非常に高いもののその時の気分によって差が激しくなる傾向にあり、一方で堅実で保守的な場合は倹約家として質素になるため必要性が伴わなければ消費に至りにくいという傾向にあります。
カテゴリ②:実力と努力で築き上げた富裕層
代表的なところでは中小企業のオーナー、起業家、開業医、弁護士などの士業、大手企業の役員、経営幹部といった富裕層で、消費意欲は旺盛で自分自身のステータスを重視し、購入するものへのこだわりも強いという特徴があります。
若干保守的な考え方も存在しますが、信用と安心を得たうえで「ステータス重視」という点を押さえておけば積極的に消費行動を取る傾向にあります。
そのため「あなただけの~」「あたなのために~」という限定感と希少性に揺れる傾向にあるといえます。
カテゴリ③:比較的短期でビジネスで成功した富裕層
ネオ富裕層とか新富裕層と呼ばれる富裕層で、代表的なところではネオヒルズ族という言葉もあるように、IT企業のファウンダーやネット関連のIPO長者など比較的年齢の若い富裕層のカテゴリです。さらにはスポーツ選手や芸能人といった人たちもこのカテゴリに分類されます。
短期間で成功し資産を有したケースが多いため、その分消費意欲は最も高く、積極的にリスクテイクする姿勢も特徴で、周囲の目をあまり気にせず、独自のスタイルを貫き、ゴージャスなハイライフを思う存分好むという特徴もあります。
ここでは3つのカテゴリ分類しましたが、この分類に関係なく富裕層に総じて共通することは、富裕層は富裕層でつながりやすいということです。
つまり富裕層同士で意見交換や情報の共有をしたがる傾向にあるため、セミナーや会員制サロンといった限定的なコミュニティで横のつながりを持つという特徴があるということを知っておくべきです。
また富裕層は自分の時間ややり方、ペースを阻害されることを非常に嫌う傾向にあるため、アプローチの仕方を間違えるとリーセンシーコントロール(最後の購買からの経過時間を早め再び購買を促すこと)やフリークエンシーコントロール(特定期間内の累計購入回数、リピート率を高めること)が効かなくなる場合もあります。
あくまでも一般的なカテゴライズの一例ですが、こういった特徴を理解しつつ、行動分析をしていくことで富裕層の姿が見えてきます。
シリコンンバレーのVCが用いる行動解析
シリコンバレーで活躍するVC界(ベンチャーキャピタル)の風雲児として業界では名の知れたデイブ・マクルーア氏が唱えた「AARRRフレームワークモデル」という行動分析方法があります。
世界中のスタートアップ企業(設立から間もない小さな会社ではあるものの高い将来性を有している)を見つけ出し出資をするビジネスモデルの500Startups社の創業者である彼は、いわゆるエンジェル投資家と言われる企業家ですが、特にITといったテクノロジー関係を得意としていてそのインベストメントパフォーマンスが非常に高いことから「スーパーエンジェル」と呼ばれています。
その彼が将来大きく成長するであろう有望なスタートアップ企業を見つける際に、その対象となる会社や経営陣を考え方、コミットメントラインを判断するための経営分析として編み出し、提唱しているのが「AARRRフレームワークモデル」と言われるものです。
従来の消費行動における分析手法は、新規顧客の獲得という側面に限定したり、CV(Cost Variance:オーバーコストの分析)に注目しがちであったのに対し、この「AARRRフレームワークモデル」は行動心理学的な要素を取り入れて、ミッション(ここでは出資する企業経営者と会社そのものの方向性)の行動原理を五段階に分類し、それぞれの段階でKPI(key performance indicator:重要業績評価指標)を測定しつつ全体像とのバランスと今後の成長性を見極めるというものです。
その対象を「出資する企業経営者と会社そのものの方向性」から「ターゲットとする富裕層」に変更すれば、この手法は富裕層のマネージメントにも十分に応用できる画期的な論法と言えるでしょう。
具体的に説明しますと「AARRRフレームワークモデル」の「AARRR」とは「Acquisition(獲得)」、「Activation(活性化)」、「Retention(継続)」、「Referral(紹介)」、「Revenue(収益)」を指し、これら複合的なデータから未来を予測するという「データドリブン分析」の確固たる方法です。
「世の中には未解決の課題がたくさん残っているが、言い換えればその解決策を提案することでビジネスを回すチャンスも大いに残されているということだ。もう既に存在するサービスを改善することよりも、そうした小さなニーズに応えていくことのほうがよっぽど意味のあることだ」
500Startups社を率いるデイブ・マクルーア氏はこう述べており、世界中で多くのスタートアップ企業を発掘してきた実績を誇っています。
そしてこうも述べています。
「これまでにも素晴らしいアイディアの多くが、マーケティングの失敗で消えていった。反対に、一見インパクトが薄そうなサービスでも、マーケティングを上手くやったことで成功を手にしたものもある。マーケティングは煙たがられることが多いが、ビジネスにおいて最も重要な要素のひとつであることを認識しなければならない。うまくやれば、押付けがましくなることもない。マーケティング戦略を通して、サービスについてより多くの人に知ってもらい、その人々と価値を共有することができれば、成功に一歩近づけることになる」
まさしくサービスの本質とマーケティング理論の真髄を端的に表しているコメントと言えます。
これを富裕層マーケティングにも活かすべきなのです。
富裕層特化型ライセンサーダイレクトメールの魅力
これまでにご紹介してきた理論や考え方をフルに活用して、富裕層にアプローチを掛けられれば、効果のあるマーケティングが期待でるといえるでしょう。
しかしどのようなプロモーションで行えば費用対効果も含め最も効果があるのでしょうか。
その答えは、好きなタイミングで何度でもダイレクトにアプローチできる自由度の高い「富裕層特化型ライセンサーダイレクトメール」をおいて他にはありえないといえます。
ライセンサーダイレクトメールが富裕層へのダイレクトアプローチに最も適している理由は以下にまとめられます。
特徴①:秘匿性と差別化
富裕層一人一人に直接届くことでオンリーワン効果があり、秘匿性と差別化があ
るとともに、受け取った富裕層は優越性を感じ自己肯定感が高まりやすい。つま
り選別された人にしか届かないという優位性をダイレクトメールは提供できるた
め、自尊心を満たすことができる。
特徴②:効率性と利便性
他の広告媒体と違い、対象外の人の目に触れることがまったくなく、またダウン
ロードやログイン等の手間もなく開封するだけの利便性を有しているため自由度
がある。富裕層は煩わしさは回避する特徴があるが、ダイレクトメールはそれを感
じさせることはなく、むしろ期待感をもって開封する傾向にある。
特徴③:優れたコストパフォーマンス
電子的な広告媒体や、露出度を高めた広告と異なり、コスト面での圧倒的な優位
性を持っているため、好きな時に好きなだけ何度でも発送ができる。しかも該当
する富裕層にだけ発送すればいいといいセグメント作用もあって、コストの
無駄が全く発生しない。
もちろん対象となるターゲット富裕層のデモグラフィック(顧客属性)分析が正確かつ緻密であることが大前提ではありますが、当社の有するビッグデータは最新のデータベースをもとに逐次更新とバージョンアップを重ねているため、エリアはもちろん、住所、業種、勤務先といったデータアイテムから、最も適したターゲットに絞り込んでいくことが可能です。
そしてライセンサーダイレクトメールは追跡番号を個別で有しているため、どの富裕層がアクションを起こしたかといったアフターアプローチ対策や送付後の検証も十分にすることが可能となります。
PDCAサイクルモデルの「C」と「A」までにもフォーカスしているため、ライセンサーダイレクトメールは回数を重ねていくごとにブラッシュアップしていくことができるマーケティングツールと言えるでしょう。
先に記しましたように、富裕層は自分のペースを外部から乱されることを極端に嫌うという傾向があります。
それは現在の自分、現在の成功がこれまでの自分の行動によってもたらされたという厳然たる事実があるため、自分自身に対しての自信と肯定が強いという理由からです。
昨今主流となったインターネットのWeb広告には、リターゲティング広告やリマーケティング広告といった側面がライセンサーダイレクトメールにはないため、自分のペースを乱されることもなく、送られてきたライセンサーダイレクトメールの情報は、限定的なコミュニティを組む富裕層にとっては、むしろ富裕層間で話題になる可能性が高いといえます。
この点は、先の「AARRRフレームワークモデル」でいう「Referral(紹介)」に直結する部分でもあり、ライセンサーダイレクトメールには購買範囲の拡大が連鎖的に起こる可能性を秘めているといえます。
また一般的なダイレクトメールは相手先に届くことが目的となっているのに対し、ライセンサーダイレクトメールはそこから購買を促すところ、すなわち「Acquisition(獲得)」、「Activation(活性化)」、「Revenue(収益)」までを目的としています。
このことからもライセンサー向けダイレクトメールは、厚みや重さ、形状からデザインまでをも考慮したものになっているため、DM慣れしている富裕層にも特別感を提供することができ、それが結果的な購入へとつながる行動原理となっていくのです。
このようにドリブン分析に基づいた富裕層特化型ライセンサーダイレクトメールは、行動を伴った売り上げに直結する、最短最速最適なプロモーションツールであると断言することができます。
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