シティプロモーションは「自治体の営業活動」?成功事例から学ぶ…失敗しない道筋とは
シティプロモーションとは、地方自治体の内外に対してその地域の魅力や特徴を発信することです。ただし、大枠でいえば観光復興・住民協働・流入増加など幅広い目的を含む活動でもあるようです。
昨今、地方創生の流れに沿い、各自治体においてシティプロモーションが盛んになってきました。しかし、それが成功した事例はわずか。シティプロモーションを成功させるにはどうしたら良いのでしょうか?
今回はシティプロモーションの成功例と考え方を解説します。そこから、失敗しない道筋を学んでいきましょう。
目次
シティプロモーションとは?自治体が理解すべき3ポイント
シティプロモーションを実施する前に、そもそも自治体が「シティプロモーションとは何か?」を知らない場合があります。
そこでまずはシティプロモーションを実施するにあたり、理解すべきポイントを3つにわけて解説します。
その1:シティプロモーションの「意味」を理解しよう
「シティプロモーション」という言葉の意味を理解しましょう。シティプロモーションという言葉には、地方に関わる様々な意味が内包されています。
- 地域再生
- 観光振興
- 住民協働
- 認知度向上
- ブランド力向上etc…
あまりにも多岐に渡るように見えるかもしれません。しかし、シンプルに「地方創生プロジェクト」に関わることすべてがシティプロモーションという言葉の中に内包されていると考えて良いでしょう。
その2:シティプロモーションの「目的」を理解しよう
では何のためにシティプロモーションを行うのでしょうか?多くの場合「その地方の魅力を発信する」ために行われます。
地方に人が来ないのは「そもそもその場所に何があるのかを知らない」という理由も考えられます。シティプロモーションを行うことにより、より広く地方のことを知ってもらうことが可能なのです。
つまり、地域の特徴や良いところを「売り込む」=営業活動といえるでしょう。
その3:シティプロモーション=「広報」ではない
ここで重要なのが「シティプロモーション=広報ではない」という点です。シティプロモーションの一環として広報活動に力を入れている自治体もありますが、大抵うまくいっていません。それは、シティプロモーションが広報活動ではなく営業活動だからです。
自治体の広報は基本的にノウハウがある場合が多く、コンテンツを自治体で作れることも多いかもしれません。
しかし、営業活動となるとノウハウが足りません。そこでつまずき、うまくいかないという場合が多くみられるのです。
【成功事例】シティプロモーションを実際に行った3つの自治体
ここでは、実際にシティプロモーションを行って成功した3つの自治体を紹介します。
事例1:移住・定住に向けた取り組み・福井県鯖江市
福井県鯖江市といえば眼鏡枠の国内製造一大拠点として知られています。ですが、シティプロモーションを行う前は人口減少に悩む自治体の1つでした。
そこで行ったのが県外流出しやすい若い女性のニーズに合わせたプロモーションです。まず「鯖江市役所JK課」を発足。市民協働推進プロジェクトに女子高生が参加することによって、生徒たちは卒業後も地域に残るようになりました。
また、プロジェクトではアプリや女性向けの食品開発を行いました。これによって女性の定住を促進・人口流出を最小限に押さえ、さらなる人口増加に期待をかけています。
事例2:悪いイメージを払拭する取り組み・神奈川県川崎市
神奈川県川崎市と聞くと、首都圏近郊に住んでいる方は悪いイメージを持っている方が多いかもしれません。川崎市ではそれらのイメージを払拭するためにシティプロモーションを行いました。
元々人口増加率が高い川崎市は、人口に関するプロジェクトを行う必要はありません。そのため、イメージ形成に関するプロジェクトを重点的に行ないました。
- ブランドメッセージの周知
- 環境施策・研究開発機関のアピール
- 民間企業との協働
これらの施策により、川崎市では住民や働く人が愛着をもつようになり、地域外からのイメージ改善にもつながりました。
事例3:ターゲットを絞った取り組み・千葉県流山市
一方、千葉県流山市は人口に関する取り組みを行っています。ただ人口流入を促進するだけでなく、30代~40代の子育て世代をピンポイントに狙った施策を打ち出しました。
流山市では2011年から「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」のキャッチフレーズでシティプロモーションを行っています。
流山市だけでなく、東京都内を含む首都圏近郊において、駅広告やPRを行った結果、人口増だけでなく首都圏転入率が23%にまで上がっています。
参考:自治体通信ONLINE ”実体を伝えることがイメージアップに”川崎市シティプロモーション推進室の戦略
失敗しないシティプロモーションは「自治体の営業活動」が鍵!
では、具体的に「失敗しないシティプロモーション」を行うにはどうしたら良いのでしょうか。ここからはシティプロモーションを「自治体の営業活動」に結びつけて解説していきます。
マーケティングをシティプロモーションに活かす
シティプロモーションを営業活動と位置づけている地方自治体は多いです。実際に「シティプロモーション課」という、一般企業でいえば営業課にあたる部署を設けている自治体もあります。
営業活動ということは、マーケティングの知識やノウハウがそのまま活かせます。そう考えると、一般企業目線からすると簡単なように思えるでしょう。
しかし、自治体には営業課はありません。営業に携わる人員がいないため、営業活動のノウハウがないままプロジェクトを始めようとしてしまいます。
「地域に必要なのは何か?」を考える
営業活動の経験・知識がなくとも、考え方を知れば素人でも舵取りが可能です。知っておくべきなのは「この地域には今何が必要なのか」です。
シティプロモーションを成功させた自治体が「何が必要」で「どうすればよいのか」をどう考えていたのかについて簡単にまとめました。
|
抱えていた問題 |
解決方法 |
福井県鯖江市 |
人口流出(特に若い女性) |
女子高生が協働プロジェクトに参加する |
神奈川県川崎市 |
悪いイメージ |
自治体のブランドイメージを押し出す |
千葉県流山市 |
人口減 |
30代・40代の子育て世代を狙い撃ちした首都圏広告 |
抱えていた問題は具体的ではありませんが、解決方法は具体的です。まずは「地域の解決すべき問題」を考え、それを解消するためによりターゲットを具体的にするのが、成功の鍵といえるでしょう。
営業経験豊富な民間企業との連携も視野に
シティプロモーションは、市役所や自治体だけでは成り立ちません。地域には、地域に根ざした企業や商店があります。そういった民間との連携も視野に入れるべきでしょう。
例えば、川崎市では民間の研究所と協力してブランディングを行いました。鯖江市ではアプリ開発企業と連携し、女子高生が考案したアプリの開発を行っています。
シティプロモーションは、これまでの自治体広報と違って民間企業と密接に協力し合わなければいけません。協力すべき民間へのリサーチや働きかけも、営業活動の一部といえます。
まとめ:シティプロモーションは「自治体の営業活動」と考えよう
シティプロモーションが成功した自治体は、活動そのものを「営業活動」として捉えたような動きをしているのが特徴です。
そのため、シティプロモーションを行う場合はマーケティングの知識やノウハウを取り入れ、官民を問わない積極的な活動をしましょう。自治体の市役所だけで考えるのは、内容が不十分になる場合が多いです。
まずは自治体の特色を考えてみてください。そして何が必要なのか(人口増か定住増進か)を考え、その目的を果たすために必要なターゲットを定めましょう。そうすれば自ずと道筋は見えてくるはずです。
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