動物病院集客で失敗しないためのポイント｜宣伝方法や規制について解説

近年、少子化や高齢化による総人口の減少から、ペットの飼育数も減少しています。それに対し、動物病院は増えているため、市場の縮小など動物病院の経営にさまざまな課題が出てきています。

飼い主のニーズを把握し、患者数を安定させるためには、ペットの飼育環境の時代の流れに対応できているか今一度見直してみる必要があるかもしれません。

今回は、動物病院集客が難しくなっている理由や集客で注意すべきポイントについて解説します。

動物病院集客を始める前に｜生き残りをかけた経営課題を確認

動物病院を経営するにあたって、さまざまな課題が発生してきます。近年の動物病院業界が抱えている経営課題について説明します。

動物病院が人手不足である原因

農林水産省が公表している令和2年度の小動物を扱う動物病院の届け出数は12000件前後です。そのうち、就業獣医数が1人となっている施設が7700件前後と多く、1つの施設に対して獣医師1人という体制が多いです。

そのため、毎日の患者対応に追われて、新たな人材確保や集客に充分な時間を取ることができず、悩まれている医師が非常に多いという動物病院集客における課題があります。

動物病院業界の高度医療化

動物病院が増加傾向にあるのに対して、ペットを飼う人は全体的に減少しています。

しかし、近年は「ペットも家族」という考え方の浸透から、ペットに人間と同レベルの医療を求める飼い主も増えてきたため、動物病院業界にも高度な医療が求められるようになりました。

このような高い水準の獣医療を求める傾向は今後も強まる可能性が高いとされています。高機能な医療機器を導入したり専門技術を駆使した診療を取り入れるなど激しい競争のなかで行き残るために何をすれば良いのかが動物病院集客の課題となっています。

参考：農林水産省「都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況」

動物病院集客で他院と差をつけるには…3つの広告宣伝方法

動物病院集客の方法には、さまざまな方法がありますが、まずは集客で成功している医院が取り入れている方法を試してみましょう。3つの宣伝方法の特徴やメリットを説明します。

潜在顧客に有効｜チラシのポスティング

チラシのポスティングは、従来からある方法ですが、店舗周辺に居住している潜在顧客にアピールするのに最適です。動物病院を訪れる場合の多くは、急患なので、チラシを見た飼い主が来院する可能性が高いためです。

ポスティングの場合、配布するターゲットをペットを飼っている潜在顧客がどこに住んでいるのかを見極めて行うとより効果に期待できます。

弊社「フィーオブレイン」では、独自のターゲティング技術により「ペット可」のマンションを割り出し、ペットを飼育している人が多く居住している可能性の高いマンションに向けてピンポイントでポスティングが可能です。動物病院集客でお悩みのさいはぜひ弊社にご相談ください。

可愛い動物の写真でアピール｜SNS

TwitterなどSNSが生活に浸透している現在、SNSを上手く活用することで動物病院集客で反響を得やすくなります。

SNSは、Facebook、Twitter、Instagramなどがありますが、このうちどれか一つは、若い人から高齢者まで使用している人が幅広く、企業でも集客に活用されています。

Twitterを動物病院集客の方法として使う場合は、動物病院の日常や動物についての豆知識などできるだけ毎日更新しましょう。日常的なことたペットが病気になったときに役立つことを毎日発信することで、ユーザーに親近感を持ってもらえます。

Instagramは、写真や動画がメインで若い人の多くが利用しているツールなので、こちらも積極的な更新をおすすめします。

動物病院であれば、通院で元気になった可愛い動物の写真や動画などを掲載することで、動物好きの人にもアピールできますよ。

ブログ開設がおすすめ｜ホームページ

動物病院に来院する人は、「ホームページを見て来ました」という人も多くいます。ホームページは、動物病院を開業しているほとんどの人が開設しているので、より戦略的に運営を行うのが動物病院集客のポイントです。

ただ単に情報を載せるだけでなく、医院全体の雰囲気が伝わるようなデザインにしたり、病気の予防法などホームページにアクセスしてくれた人の興味を引くコンテンツを盛り込む等工夫が大切です。

また、ホームページは、検索結果で自院のサイトを上位に表示させるSEOと呼ばれる施策を取ると競合に対する差別化ができますよ。

SEO対策としては、住所や電話番号など基本情報だけでなく、犬や猫以外の対応できる動物や予防接種など検索するユーザーが何を求めているのかに応える情報を盛り込むと有効です。

動物病院で集客を行うなら｜獣医療法上の広告規制に注意！

動物病院の広告には、低価格競争で生まれる「病院の質の低下」を防ぐために規制が設けられているので、集客の注意点として紹介します。

動物病院には広告規制がある

2014年に「獣医療広告ガイドライン」が改訂されました。このガイドラインは、動物の「命の尊厳を守る」ことを目的としています。

一部の動物病院では、飼い主に誤解を与えるような誇大広告を行っており、動物病院業界全体の医療の質が低下するような「低価格競争」が加速してしまうことになりかねません。

低価格競争を避けるためにも規定が設けられているので、動物病院集客のさいには注意が必要です。

広告規制の内容

ガイドラインでは、広告に該当すると考えられるものとして、テレビ・ラジオCM、新聞広告や看板、ポスターやチラシなどが挙げられています。

動物病院の広告出稿が制限される理由については、まず十分な知識のない飼い主が、低価格診療の売りなど、広告の偽りに惑わされてしまうことで不適切な治療を受ける動物の被害を防ぐための「不測の被害を防止」することがあります。

また、フィラリア症の予防や避妊去勢手術などについても、飼い主に「虚偽ではないが誤解を招く誇大広告」や「不当な誇大表現」は禁止されています。

そして動物病院の診療台は、対価として必要なものなので、広告に費用を掲載すると低価格競争を引き起こしてしまうおそれがあります。獣医療に対する「質の低下」を招かないためにも直接的または抽象的な表現は制限されています。

広告とみなされないもの

広告とみなされるかどうかは、誘引性の有無が鍵となります。誘引性のあるテレビCMなどは規制されますが、ホームページや診療施設に置いてあるパンフレットなどは誘引性がないとされているので広告としてはみなされないことも動物病院集客のポイントです。

参考：農林水産省「獣医療に関する広告の制限及びその適正化のための監視指導に関する指針(獣医療広告ガイドライン)」

まとめ

本記事では、動物病院の集客で大切な集客方法や注意すべきことについて紹介しました。

ペットの飼い主は、家族でもあるペットの命を託すために信頼できる病院を探そうとさまざまな情報に触れながら取捨選択しています。

動物病院の集客で必要なことは、飼い主が求めている情報にたどり着ける「窓口作り」と信頼できる情報の共有です。

飼い主のニーズを満たすことで、来院数は必ず上がります。地域のなかで生き残る動物病院を実現しましょう！