ターゲット策定
例えば、審美歯科医院の場合、主なターゲットは20代から30代の女性と考えられます。美しい歯並びや白い歯への関心が高いこの層に、チラシの内容を特化させることで、より強いインパクトを与えられるでしょう。「輝く笑顔で自信が持てる」「大切な日のためのメンテナンス」など、美意識の高い女性の心をつかむキャッチコピーを用いるのも一案です。
一方、小児科のチラシなら、子育て世代の親がターゲットになります。幼い子供の健康を何より心配するご両親に向け、「安心」「信頼」といったキーワードを押し出すことが有効でしょう。「お子様の健やかな成長を、私たちは全力でサポートします」など、寄り添う姿勢を前面に出すことで、親の共感を得られるはずです。
このように、ターゲットを意識したチラシ作りには、大きく2つの効果が期待できます。
1つは、訴求力の向上です。ターゲットのニーズや悩みを的確に捉えたメッセージは、より強く心に響くもの。自分ごとと感じてもらえれば、受診への意欲も高まるはずです。
もう1つは、無駄の削減です。ターゲットに合わないチラシを大量に配布しても、反応を得るのは難しいもの。対象を絞ることで、印刷や配布にかかるコストを最小限に抑えつつ、最大の効果を狙うことができるのです。
ただし、ここで注意したいのが、ターゲティングの精度です。例えば、「シニア層」といっても、60代と80代では健康課題も趣味嗜好も大きく異なります。また、同じ子育て世代でも、核家族か三世代家族かで、医療機関に求めるものは変わってくるでしょう。
つまり、ターゲットは可能な限り具体的に設定することが大切。年齢や性別、家族構成、ライフスタイルなど、様々な角度から検討を重ねることで、より精度の高いペルソナ像が見えてくるはずです。
そうして導き出された「理想の患者像」を起点に、チラシのデザインや文言、配布エリアなどを決めていく。それが、ターゲットに刺さる、効果の高いチラシ作りへの近道となるのです。
病院・クリニックは、患者に寄り添う存在であるべき。だからこそ、チラシ作りにおいても、ターゲットの気持ちに寄り添う姿勢が何より大切。一人ひとりのニーズを真摯に捉え、魅力的なメッセージを送ること。それが、信頼を育み、安定的な集客を実現する第一歩なのです。