ターゲット策定
体験価値とは、イベントに参加することで得られる、記憶に残るような楽しい経験や感動のことを指します。来場者が能動的に参加できるアクティビティや、非日常的な空間演出、エンターテインメント性の高いパフォーマンスなどを通して、来場者の五感に訴えかける体験を提供することが重要です。
例えば、子ども連れの家族をターゲットとしたイベントであれば、親子で一緒に楽しめるワークショップやゲーム、キャラクターショーなどを企画することが効果的でしょう。子どもたちが目を輝かせながら楽しむ姿は、保護者にとっても嬉しい体験となります。そのような体験を通して、ショッピングモールに対する好感度や愛着が生まれ、リピート来店にもつながります。
また、地域性を活かしたイベントも体験価値を高めるのに有効です。例えば、地元の特産品を使ったグルメイベントや、地域の伝統文化を体験できるワークショップなどを企画することで、来場者はその土地ならではの魅力を体感することができます。地域に根ざしたイベントは、コミュニティの一体感を醸成し、ショッピングモールと地域の結びつきを強めることにもつながります。
さらに、インスタ映えするような空間演出も、体験価値を高めるのに効果的です。フォトジェニックなスポットを設置することで、来場者はSNS上で自分の体験を共有したくなります。その結果、イベントの露出が増え、口コミによる集客効果も期待できます。
ただし、体験価値を追求するあまり、商業施設としての本来の目的を見失ってはいけません。あくまでも、体験価値はショッピングモールへの集客と、店舗での購買行動を促進するための手段です。イベントと店舗での販売を巧みに連動させることで、相乗効果を生み出すことが重要です。
例えば、イベント会場で配布するクーポン券を店舗で使えるようにしたり、イベント参加者に店舗での特典を付与したりすることで、イベントから店舗への誘導を図ることができます。また、イベントの企画段階から店舗スタッフを巻き込み、店舗でのイベント連動企画を実施することで、イベントと店舗が一体となった盛り上がりを創出することも可能です。
体験価値の高いイベントを企画するためには、ターゲット層の理解が不可欠です。年齢層や嗜好、ライフスタイルなどを踏まえ、ターゲットが何を求めているのかを深く理解することが重要です。また、他のショッピングモールの事例を参考にしつつ、自施設の特性を活かした独自性のある企画を立案することが求められます。
イベントの規模や予算、施設の特性に合わせて、体験価値を高める要素を適切にバランスよく取り入れることが、イベント企画の成功の鍵となります。来場者の心に残る体験を提供することで、ショッピングモールはただの商業施設ではなく、楽しみや発見のある魅力的な場所として認識されるようになるのです。