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チラシからはじまる物語【第8話】俺だけ知らない

チラシからはじまる物語【第8話】俺だけ知らない

「チラシからはじまる物語」15篇のストーリー

どこにでもありがちな家族の話、ありえない話。

ほろりと泣ける恋物語から、近未来の話まで、珠玉のストーリーをお届けします。

どの物語もチラシが重要な役割をはてしています。さて、そのチラシが人生にどんな影響を与えるのでしょうか。

あなたのお気に入りの作品に出会えるといいですね。

第8話は「俺だけ知らない」

先入観による固定概念。

視野の狭さが落とし穴。。

宣伝方法は様々である。

「第8話」俺だけ知らない

最新の流行は、すべて頭に入っている。新聞、雑誌、テレビ、そんなものでチェックするなんて古い、古い。イマドキは、ネットで検索するのが当たり前。

ネットの世界から、どんな情報だって知ることができる。つまり、万能なのだ。ネットにない情報なんて無い。すべてがそこにあり、しかもいつでも知りたいときに、知ることができる。こんな便利なもの、使わない手はない。いや、使わない奴らのほうが、どうかしている。

朝から晩まで、パソコンの前に座って刻一刻と変わる世界情勢をチェックする。俺の仕事は、いわゆる自宅警備員の部類に入る。だって、外に出て他の人と接触する必要性を感じないし、この部屋の中ですべてが完結する。

今の世の中、事件ばっかりだ。うかつに外へ出て、どんな事件に巻き込まれるかわからない。安全で安心な場所にいることが、自分自身を守る現代の手段なのだ。

俺には知らないことなんてない。すべては、ネットの世界に存在している。ネットこそ、俺にとってのリアルだ。現実世界なんて、そもそも必要ないんじゃないかと思う。

もちろん友人はいる。でも、SNSを通した友人とは、会ったことがない。それでも、誰かとつながっているのだから、全くの引きこもりとは違うんじゃないかと思ったりもする。

それに、まったく外に出ないわけじゃない。時折、世間がどんなにバカなことをしているか、偵察に出かける。それこそ、自宅警備員の役割なのだ。

みんなは知らない。俺だけの世界がここにあり、すべてがここにあることを。俺に知らないことなんかない。何でも調べれば出てくる。俺は万能なのだ。

自宅警備員を始めたきっかけは、他の人に言わせれば些細なこと。だが、俺にとっては、自分の人生を大きく変えた忘れられないできごとになる。

あれは、高校2年の冬だった。あの頃の俺には、人に言えない夢があった。言ってしまったら、笑われてしまうような、俺の夢。だが、俺は真剣だった。その夢を叶えるべく、毎日トレーニングに励んでいたのに。

それを踏みにじった奴がいる。顔の歪んだ担任だ。人の悪口ばかりいう奴だった。きっと、悪く言い過ぎて顔が歪んでしまったのに違いない。

その日は、学校で進路相談があった。来年には、進学先を決める必要がある。だが、俺の気持ちは決まっていた。大学には行かない。そして、好きな業界に就職する。それだけが俺の気持ちだった。

 「おい。進路どうするんだ?」

担任が聞いてくる。

 「もう決まっています」

でも、コイツには言わない。絶対に教えない。

 「進路希望も白紙で提出するから、決まっていないかと思ってたよ」

つまらなそうにボールペンをいじっている。

 「で。どうするんだ?」

ペン先を俺に突きつけながら、担任が問い詰めてくる。

 「まさか、アイドルになりたいなんて言うんじゃないだろうな」

一瞬にして、頭に血がのぼり、顔が真っ赤になった。

「ええええ? そのまさか…なのか」

ハハッハハハと、担任が大爆笑し始めた。

 「鏡に向かってポーズ取ったりしてるのか…お前が」

俺の秘密のトレーニングがバレている、そう思うだけで意識が遠くなっていく。担任の爆笑は止まらない。コイツはどこまで知っているんだろう。しかし、一体どこでバレたんだ? まだ、幼かった俺は担任が憶測で言っているなんて、思いもしなかった。

 「まさかのまさか、女の子のグループに入ろうなんて思ってない…よな」

担任が真実を語りだす。まずい、コイツは全部わかってる。そんな考えだけが頭を駆け巡る。

 「衣装作ってさ。着て踊るのか、お前が」

ダメだ。すでにバレている。隠しきれない。制服にそっくりな衣装を手作りを着ていることもきっと知っているんだろうな。それにしても、一体どこから情報を仕入れたんだろ。

 「俺は男で初めて女性アイドルグループに入ります」

カラカラになった喉を絞るようにして、やっと口から言葉が出た。

 「お前、面白いな。その冗談」

担任が俺の肩にポンと手を置く。ここまで真実を知っているのなら、隠すこともないと思った。そして、応援してくれるはずだなんて、勝手な期待をしてしまった。

帰りのホームルーム。いつものように淡々と進んでいく。最後に先生からの一言があり、会は終了する。

 「明日も進路相談やるから」

そして、面白さに耐えられない顔をして続けた。

 「くれぐれも男でアイドルになるなんて言わないように」

意外にもクラス中が爆笑の渦に包まれた。笑っていないのは、俺だけだった。

 「アイドルなんてバカじゃん」

 「そんなの言うわけねぇし」

コイツらには、俺の夢が理解できないんだ。そう思った。俺のいるべき場所はここじゃない。人の夢をバカにする奴らとは、一緒にいられない。そんな気持ちが駆け巡る。

次の日。俺は高校を辞めた。学校を辞める理由には、アイドルになるためとだけ書いた。

それ以来、俺は外の世界との接触を断った。

変わりに見つけたのが、ネットの世界だ。実は、ネット社会では、俺は超絶可愛いアイドルとして過ごしている。夢の形は変わったけれど、俺は自分の夢を叶えた。

だからこそ、自宅警備員は辞められない。退学届けを見た担任が、歪んだ顔をさらに歪ませて笑った姿が忘れられない。あいつ、絶対に許さない。そんな怒りが俺のモチベーションにもなっていた。

ネットを開けば、そこに俺の世界が待ってくれている。アイドルとして、SNSに発信し続ける俺が間違いなく存在している。

俺はみんなに夢を提供している。アイドルとは、虚像でしかない。ファンは、勝手な思い込みを抱き、幻想で好きになってくれる。真実なんて初めからない。俺に夢を重ね、虚の俺を好きになってくれる、それ以外がアイドルの真の姿だろう。

アイドルなんて所詮、どこにもいない、そして夢と幻てできているのだから、俺がアイドルを名乗ったところで、問題はないだろう。誰にもとがめられる筋合いはない。

俺はアイドルになりたかった。だから、夢を叶えた。だましてなんかいない。夢を与えているだけだ。相手も、本当のことを知りたいなんて思っていないはずだ。俺は、悪くない。非難される筋合いはない。

そもそもネットの世界には、幻も嘘もごちゃまぜになっている。だが、その幻や嘘こそがすべてであり、唯一のネット界の真実にもなっているのだ。初めから嘘で塗り固められた世界だからこそ、嘘で固めた俺が存在する価値がある。

なんにでもなれる、なんでもできる。これまで、手の届かなかった芸能人に一言いってやることだってできる。世間は、ネットの声で動いていく。ほんのささいなコメントが、大きな評判になり、社会を動かくすことだってある。まさに、ネットは万能なのだ。

俺は、アイドルとして夢を与えている。その夢に酔ったファンが、またさらなる夢を見る。こうして世界は回っていく。

自宅警備員として、ネットを毎日やっているからか、世界情勢に詳しくなった。いや、世界情勢だけではない、芸能ニュース、地域のニュース、流行りのファッション、知らないことなんて無いくらいに、なんでも知っている。いや、知らないことなんて無いくらい、じゃない。知らないことを探すほうが大変なくらいだ。

もちろん、アイドルとして収入だってある。いわゆるネットの広告収入ってやつだ。まったく、便利な世の中になったもんだ。超絶可愛い女の子の写真を探して本人になりすまし、SNSで発信し続けるだけで、暮らしていけるのだから…。バレそうになったら、他の子に乗り換えればいい。簡単な商売だ。

さて、今日は街のパトロールに出かける。時折、生の庶民の姿に触れて、そこから新しいネタを探る。と、いっても役に立つ情報なんてほとんど無いんだけどね。今、流行っていることなんて、すべてはネット発だから、みんなこぞって夢中になる頃には、ネットでは終わりになっている。特に、テレビで取り上げられるのは、古臭いネタになってしまった後だ。

時代を先取りし、時代の最先端を走る、俺。なんか自分でもカッコいいと思う。

玄関には、ドアのポストに入れられた郵便物が散乱している。すべてポスティングされたチラシだ。まとめて下駄箱の上に置く。こんなやり方で宣伝したって効果なんて無いのに。なんでネットだけで宣伝しないんだろう。古い。

一番上に置いたチラシに、奇妙な緑のぬいぐるみがのっている。

(なんだ、コイツ。変なの)

でも、俺には関係ない。なんの接点もない。後で処分しなきゃな。

駅前に向かって歩き出す。いつも行く、カフェまで周囲をキョロキョロしながら進む。

(そうか。今日は学校が早く終わりなんだな)

女子高生の姿を見て、出かける時間帯を間違えたかもしれないと、後悔する。あの子たちは苦手だ。無意味に笑いだし、大げさに若さを振りまいて、女子高生であるだけで周囲にプレッシャーを与える。

でも、その女子高生の声も拾わないといけない。どんなことに興味があるのか、さりげない顔をして、なんとなく話を聞く。

 「プペペッポってやばいよね」

 「やばい、超やばい」

耳を疑う。「プペペッポ」って何だ。聞いたことなんかない。知らないぞ。冷や汗が背中を伝う。でも、すぐに女子高生にありがちな言葉遊びだと、思い直す。そうだ、単なるセリフだ。そこに意味はない。家に帰ったら、「プペペッポ」を調べなきゃ。

カフェに着く。やはり女子高生のたまり場と化していた。でも、情報収集しなきゃいけない。

 「うわっ。超かわいいじゃん、見せて」

 「はい。プペペッポ」

出た。ここでもプペペッポ。一体何なんだ。プペペッポって。俺だけ知らない。これは、耐えきれないほどの屈辱だった。知りたい。調べなきゃいけない。プペペッポ

スマホで検索をしてみようと思った。でも、誰かにプペペッポを検索していることが、バレたらと、思うだけで恥ずかしい気になった。それくらい知らないの? 女子高生の嘲笑が聞こえそうだ。何でも知っているこの俺だけが知らない。なんでだ。

女子高生だけじゃない。おしゃべりに夢中の奥様たちも、サラリーマンも「プペペッポ」と言っている。気が付けば、カフェ中の人間が「プペペッポ」と口にしている。頭がどうにかなってしまいそうだ。

だからといって、人に聞くわけにもいかない。どうみたって通りすがりの変態みたいな俺。怪しまれること、この上ない。

早く家に帰って調べなきゃ。頭の中をプペペッポの言葉が踊る。

玄関先に置いてきた、ポスティングされたチラシ。一番上に置かれた、緑色の変なキグルミの写真。キグルミの名前こそ、「プペペッポ」。最近、街で大人気のゆるきゃらだ。人気を集めるための宣伝は、ネット以外にもある。

この男がその事実に気付く日はくるのだろうか。

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