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チラシからはじまる物語【第3話】優しさと反抗心

「第3話」優しさと反抗心(前編)チラシからはじまる物語

「チラシからはじまる物語」15篇のストーリー

どこにでもありがちな家族の話、ありえない話。

ほろりと泣ける恋物語から、近未来の話まで、珠玉のストーリーをお届けします。

どの物語もチラシが重要な役割をはてしています。さて、そのチラシが人生にどんな影響を与えるのでしょうか。

あなたのお気に入りの作品に出会えるといいですね。

第3話は「優しさと反抗心」

息子が家を飛び出してから、もう8年の月日が過ぎてしまった。

今頃、何をやっているのやら。

でも、ある日、息子の所在がわかった。

でも、主人はまだ許していないみたい

「第3話」優しさと反抗心

息子が家を出てから、もう8度目の春になった。

今思えば、息子も寂しかったのだろう。共働きの家庭に育ち、ずっと鍵っ子にさせてしまった。親の愛情が欲しい時期に、帰ってきてもおかえりの声が聞こえない。自分で買ってきた駄菓子を食べ、ゲームをする每日。

それでも、生活のために仕事を辞めるわけにはいかなかった。息子も事情をわかってくれている、そう勝手に思い込んでいた。

初めて学校に呼びだされたのは、中学校にあがってすぐのことだった。

先生からの電話。息子が同級生に暴力をふるっている、信じられない内容だった。

その日は会社を休み、散ってしまったサクラの花びらを踏みしめながら、学校までの坂道を歩いた。一緒に歩いている息子は、一言もしゃべらない。しゃべりたくないのだろう。私も、無言で歩き続けた。

担任の先生は、穏やかな顔をした年配の男性だった。

 「申し訳ありませんでした」

先生の顔を見てすぐに謝罪の言葉を口にした。それでも息子は、何も言わない。

 「殴られたお子さんの親御さんが」

言いにくそうに先生が言う。

 「学校に来られて事件が発覚しました」

 「事件じゃねぇし」

息子がやっと口を開いた。

 「コホン。ご家庭でも今回のことは話し合われたのでしょうか」

小さく咳払いをして、話題を変えるように先生の追求が続く。

 「いえ、何も。何を聞いても教えてくれなくて」

それが真実だった。家に帰っても、息子は口を開かない。いつからだろうか。会話がまったくなくなっていた。単なる反抗期だとばかり思っていたけれど。

 「とにかく、先方に謝罪をして下さい」 

きっと相手は怪我をしてしまったのだろう。もしくは、精神的にかなりのダメージをうけてしまったのか。これは息子が全面的に悪いに決まっている。それなのに、

 「謝罪なんてしなくていいよ」

強がりのセリフなのか、息子は強い口調で言う。

 「これは大人にガタガタ言われる問題じゃない。謝罪はしなくていい」

理由はどうであれ、殴ってしまったことは確かだ。暴力を振るうことはいけないこと、小さい頃から教えてきたつもりだった。

 「俺は悪くない」

息子はその一点張りで、先生に頭を下げることは無かった。もちろん、殴った相手にも謝罪なんてしなかったのだろう。だからこそ、こんなに問題が大きくなったのだ。と、思う。

私は、先生から教わった先方の家に行き、深々と頭を下げた。引きずるようにして連れて行った息子は、まただんまりを決め込んでいる。

母親の後ろに頭に包帯を巻いた男の子がいた。息子の顔色を伺うようにして、チラチラと見ている。この子が、殴られた子なんだ。可哀想に。痛かっただろうに。

 「おわびの印に受け取って下さい」

洋菓子店のシュークリームの入った紙袋を差し出す。いつもポスティングされるチラシにあった、洋菓子店。美味しそうな写真ばかりで気になっていた。ここのシュークリームなら、先方の奥さんも食べてくれるだろう。

 「結構です」

思うがけずに冷たい言葉を投げかけられた。

 「甘いモノは虫歯になってしまうので、食べさせませんから」

それから、堰を切ったように先方の言い分が始まった。

 「恐ろしい息子さんですね。いきなり殴ってきたんですよ。暴力的な息子さんを育てた、あなたの育て方が間違っています」

その口撃を受けていると、倒れてしまいそうになる。

 「もういいからさ、帰ろうぜ」

気が遠くなりそうになったとき、息子から救いの手が差し伸べられた。悪いのは息子だとわかっている。でも。

 「もう、二度と来ないで下さい」

ガチャン。扉が閉められる。

何も反論ができず、十分な謝罪もできないまま、追い返されてしまった。

せっかく買った紙袋を抱えて、家路につく。息子は鼻歌を歌っている。気にしていないのか、それとも大物なのだろうか。シュークリームの入った紙袋に手を伸ばす。

 「なんかイマイチだな」

批判だけは一人前だ。時間が経ってぺちゃんこになったシュークリームが、息子のかわりに謝罪しているみたいだった。

やがて主人が帰宅した。今日のことは、伝えなければいけない。私の話を聞いているうちに、主人の顔色が変わった。

そして、部屋から呼びだされた息子は、主人にビンタをされた。

 「結局、解決策は暴力じゃん」

息子はそう言い放ち、友達に家に行くとだけ言って家を出て行った。

それ以来、家の空気がさらにぎこちなくなった。息子はほとんど家に寄り付かなくなり、学校に呼び出されることが増えた。そのたびに会社を休まなければならなくなったせいで、退職することになってしまった。

 「お母さん、しばらく家にいるからね」

息子は微かに笑った。ような気がした。

本当に仕事を休んで家にいるつもりだった。息子が学校に呼び出されるかぎり、また仕事を辞めなくてはいけなくなる。会社にも迷惑をかけることになってしまう。

家の生活は、貯金を切り崩せばなんとかなりそうだ。息子の高校進学資金だけは、手をつけないで残しておくつもりだった。

でも、私が家にいるようになってからも、呼び出しは減らなかった。私の選択は間違っていなかったようだ。

そして、3年になり息子の進路相談が始まった。

息子の夢は、なんだろう。これまで、聞いたことがなかった。仕事を辞めて家にいても、どうせ聞いても教えてくれないと勝手に決めつけていた。

学校から、保護者同伴で進路相談があると電話があった。息子はそれすら教えてくれない。心は遠く離れてしまったのかもしれなかった。これまで、寂しい思いをさせてきたせいだと思うと、どうしても息子を責める気になれない。

当日、息子の姿はなかった。遅くなってからくるかもと、先生に促され、2人だけの進路相談が始まった。

 「息子さん、高校は無理ですね」

ある程度想像はしていたが、現実として突きつけられると、胸を締め付けるものがある。

 「そんなに成績が悪いんでしょうか」

テストを家に持って帰ることがなくなり、成績を知る手段がなくなっていた。やはり成績悪いことが現実、なんだろう。

 「実は、ほとんど学校に来ていなんです」

これまでも、学校に行っていたか定かではなかったけれど、疑ったことはない。裏切られたような気持ちになってしまった。

その後、どんな話をしたのか覚えていない。涙が止めどなく溢れて、情けない気持ちでいっぱいだった。息子のことをわかっているつもりだったのに、何もわかっていなかった。

進路相談が終わっても、息子は現れなかった。

主人の真っ赤になって怒る顔が浮かんでは消える。ダメだ。これだけは、言うわけにはいかない。私の秘密にしよう。

試験シーズンになっても、勉強しようとせず、受験の話をすることもない息子に業をにやしたのか、主人が息子に将来の話をもちかけた。

 「どこの学校を受験するんだ?」

 「俺、遊びたいんだよ。高校なんか行かねぇよ」

息子の一言が、主人の逆鱗に触れた。その矛先が、私に向かった。

 「お前も知っていたんだろ。だましてたんだな」

主人の振りかざしたこぶしが、私の頭を直撃しようとした。だが、その瞬間、

 「痛ぇな」

私の前に頭を抱える息子がいた。私をかばってくれたのだ。

 「出てけ」

主人が息子に言い放った。息子はその言葉に「わかった」とうなずき、そのまま家を飛び出していった。

それ以来、息子は家に帰らなかった。学校の卒業式にも、姿を見せない。主人は、「あんな大馬鹿者ほっとけ」と話題にすることすら嫌がるようになってしまった。

結婚して子どもがいるとか、悪さばかりして捕まったとか、本当なのか嘘なのかよくわからないことばかり耳にする。

あの事件以来、私は仕事に復帰して、息子のことを忘れるために仕事をしてきた。でも、心の何処かに息子の存在があって、忘れるなんてできなかった。あんなことになってしまったのは、私のせいだと自分を責め続ける每日を送っていた。

そんなある日、一枚のチラシがポストに入っていた。配られたばかりなのに、ちょっとシワが入っているチラシだった。何気なく見たそのチラシには、忘れられない人物の写真があった。息子だ。少し大人びているけれど、息子の顔を間違えるはずがない。

それは、新規オープンを知らせる洋菓子店のチラシだった。息子は、その店でパティシエとして紹介されている。あの息子がパティシエになるなんて、考えられなかった。

紹介文には、「シュークリームにこだわる男の信念」と何やら大げさなキャッチコピーがつけられている。

 「初めて食べたシュークリームが俺の人生を変えました。世の中にこんな旨いものがあるの かと。いつの日か、俺が納得できるシュークリームが作れたら、心配かけた両親にも謝罪 ができるんじゃないかと思う。「結構です」なんて言わせないためにも」

笑顔でシュークリームにクリームを絞る息子の写真を見ていたら、いてもたってもいられなくなってしまった。そういえば、男の子は甘いモノが嫌いに違いないと思い込んでいたっけ。いつも甘いモノを食べるのは、私一人だった。

謝罪に行った時も、シュークリームを食べて美味しくないって言ってたのに。あれは嘘だったのだろうか。実は、甘いモノが大好きなのに、言わなかっただけなのかもしれない。

慌てて仕度をして、店へと向かった。店に行けば息子に会える、でも、どんな顔をすればいい、どんな話をすればいい、向こうも私が親だとすぐにわからないかもしれない、頭のなかを色々なことが駆け巡った。もしかしたら、まだ根に持っているかも…、でもあのチラシには…。

歩いて30分ほどの距離にその店はあった。30分の時間は、決して長い時間ではなかった。こんな近くに息子がいることのほうが、何よりも驚きだった。

店の入り口には、可愛らしい妖精の置物がケーキを頬張っている。まるで森のなかに佇む絵本から飛び出したような店だった。外側から中をのぞこうとキョロキョロした。不審者に見えたかもしれない。

すぐに息子がいることに気がついた。優しい顔でお客さんと話をしている。だが、そのお客さんを見て驚いた。

 「あ、お父さん」

そこには笑顔で息子と会話をしている主人がいた。その姿を見ていたら涙があふれだしていく。手に握りしめていたチラシに涙が落ちる。

慌ててチラシを確認してみると、シワだと思っていたのは、いくつもの涙の跡だった。

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