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【第8話】荻野智博は妻の、蝶野菜々は母親の一言で心が動く

未来は決意と出会いで変えられる

主役

●荻野智博(おぎの ともひろ)塾講師歴15年のベテラン。厄年の40歳。妻の流産、もう子供ができない身体であることを知り失意のどん底へ。約五ヶ月の期間、会社を休職し、新しい地区で復帰。そこで同じように数か月間登校拒否で苦しむ蝶野菜々に出会う。

●蝶野菜々(ちょうの なな)中学二年生。部活のトラブルで登校拒否になり、約五ヶ月間引きこもる。たまたま自宅にポスティングで届けられた塾の広告チラシを見て勇気づけられ、中学三年生の春期講習会に参加することを決める。

脇役

●村上乃愛(むらかみ のあ)新中学三年生。中学校は違うが、蝶野菜々と同じ初めて講習会に参加する男子生徒。かなりのイケメンで女子からの人気が高い。毎日自習室で勉強を頑張る蝶野菜々の姿に感銘を受ける。

●登(のぼり)講師。思ったことをズケズケ云うタイプ。荻野智博の熱意溢れる行動に共感を抱く。

●安達(あだち)講師。まだ若く、おどおどしている感じは否めない。登にいつもいじられている。

●中村(なかむら)講師。中堅講師。滝川洗練会を引っ張っている。

●佐々木愛華(ささき あいか)講師。以前荻野が所属していた地区の部下。荻野の公認として奮闘する。

●荻野綾子(おぎの あやこ)荻野智博の妻。流産し、子供を産めない身体になる。

●蝶野良子(ちょうの りょうこ)蝶野菜々の母親。病院に看護師として勤務している。母子家庭でここまで育ててきたが、蝶野菜々の不登校の一件以来、親としての自信を失っている。そのため再婚に焦っている。

●伊藤(いとう)土木業勤務。蝶野菜々の母親の再婚相手。中卒。不登校の名蝶野菜々の様子を知り、高校に行かずに働くよう命令する。かなりの亭主関白で、DVの気が強い。

小説家 ろひもと 理穂

第8話 荻野智博は妻の、蝶野菜々は母親の一言で心が動く

北海道の大地に雪が積もり、あらゆるものを白で塗りつぶしていく。

それでもここに住む人間たちは、雪を掻き分け前へと進み、生活を続ける。道路や空き地、そこかしこに積み上げられた雪山がそびえていた。

 

世間では冬休みだの、クリスマスだの、大晦日だの、正月だのと賑わっていたが、荻野智博にとっては「ストレス性抑うつ状態」を引きずったままの年越しである。

十五年働いていた進学塾を休職してもう二ヶ月が経過していた。

一日のすべきことは規則正しい生活と投薬。

朝は午前五時に起き、夜は午後十時には就寝する。朝晩三十分ずつの筋肉トレーニングと愛犬ドナの散歩。朝はパン一枚、昼はおにぎり一個、夜もあっさりしたもので食事を済ます。薬を飲むための食事。気持ちを高揚させる効果もあるようだが、薬を飲むと頭の中がぼやけて記憶が散漫になり、眠気に襲われた。

有給はすべて消化し尽くしていたので、現在は会社から無給状態。

会社と病院と市役所を行き来し、傷病手当金の手続きをして何とか生活をやりくりしている。

ただでさえ貯金の少ない荻野家だ、傷病手当金がなければ家のローンの支払いもままならない。

妻の綾子も退院し、自宅に戻ってきていたので、荻野智博、綾子、ドナ、三人のゆったりとした生活が日々、降り積もる雪と同じように淡々と続いていた。

荻野智博の心の内には当然のように焦燥感が芽生えていた。

このまま働かずには生きてはいけない。しかし、職場に復帰したくても肝心の「こころ」がついてこない。

職員室では後輩となる職員の長男誕生を祝っている頃だろう。

それを考えるとまた「こころ」が沈んでいく。考えないようにするために薬を飲んだ。今後の生活への焦りや不安も少しだけ和らぐ。

職を変えるべきなのだろうか。

そう思って退職届を書いた。

ここ二ヶ月で地区の運営責任者にはもう何度も会っている。ただし退職届は受け取ってもらえていない。

病からの回復を待つと云ってくれたのだ。

しかし人手不足の職場で、そう何ヶ月も待たせるわけにはいかなかった。

職員が休みの日に職場に向かい、教室の黒板の前に立ち生徒のいる状況をイメージしてみた。心が逸るのがはっきりとわかった。何かに強烈に怯えている自分がいる。

職員室の自分の座席に座ってみた。三十人に及ぶ職員らをイメージしてみる。やはり心が逸る。貧血のようにフラフラしながら荻野智博は席から立ちあがった。

 

どうやらここで働くのはもう無理らしい。

その答えだけははっきりと自覚できた。

 

妻の綾子には、すべてのことを話ししていた。

流産をしてショックを受けている妻に追い打ちをかけるような所業だったが、話さないで夫婦生活が終わりを迎えるのは避けたかったのだ。

話を聞いてやはりショックを受けた表情を浮かべたが、それでも元気な声で、

「いいよ。ゆっくりやっていこう。智博は新しい仕事を探せばいい。私も仕事を見つけるから。焦らずにいこう」

その一言は荻野智博に強烈に負荷をかけていた重荷から解放し、お陰で荻野智博は自分の症状の改善だけに集中できるようになった。

己の死を覚悟することもなくなった。この一言で荻野智博は救われた。

妻も余程の覚悟で口にした言葉に違いない。子供が産めない体になった心の傷は夫の荻野智博以上だったはずだからだ。

 

だからこそ新しいスタートを荻野智博もきらなければならないという覚悟を固めていた。

 

一方、荻野智博の職場から車で一時間ほど離れた場所にある滝川市。

中学二年生の二学期後半を登校拒否で過ごしていた蝶野菜々の住む団地がある。

新年を迎え、三学期のスタートはもう目前だった。

ここで学校に行かねば、もう永遠に行けない気落ちが蝶野菜々にはある。学校に通わずに未来を捨てることは本意ではなかった。

LINEの数も日増しに減った。今では三日に一件くればいいほうだ。返信はしない。

信頼して話ができる友人などいないことに気が付いた。

雪が降り続くように孤独感だけが増していく日々。

母親とは、再婚の話を切り出された日以来、口もきいていない。ここ数週間、蝶野菜々は誰とも話をしていなかった。髪すらも伸び放題だ。

 

そんな冬のある日、母親がドア越しに久しぶりに話しかけてきた。

 

「ママね。再婚しないことにしようかと思っているの。菜々のためにもってママ、焦っていたみたい。苦しい思いをさせてきてごめんなさい」

 

か細い声だった。

それは違う。蝶野菜々は心の内で叫んだ。部活でレギュラーの座を奪われたことが登校拒否のきっかけだった。母親に非などあるはずもない。母親は懸命に働きひとりで生活を支えてきたのだ。謝罪する必要などない。再婚だってしてもいいのだ。

しかし蝶野菜々は何も答えられなかった。

ドアの向こうに感じた母親の気配も数分後には消えていた。

 

鼻水が出ていることに気が付いた。

風邪、ではない。泣いているのだ。声を出さずに号泣している自分に気が付いた。

どうにかしてここから這い出したい気持ちが強まる。

母親の一言が蝶野菜々の背中を静かに、強く押していた。

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