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【第7話】荻野智博は休職、蝶野菜々は登校拒否となる

未来は決意と出会いで変えられる

主役

●荻野智博(おぎの ともひろ)塾講師歴15年のベテラン。厄年の40歳。妻の流産、もう子供ができない身体であることを知り失意のどん底へ。約五ヶ月の期間、会社を休職し、新しい地区で復帰。そこで同じように数か月間登校拒否で苦しむ蝶野菜々に出会う。

●蝶野菜々(ちょうの なな)中学二年生。部活のトラブルで登校拒否になり、約五ヶ月間引きこもる。たまたま自宅にポスティングで届けられた塾の広告チラシを見て勇気づけられ、中学三年生の春期講習会に参加することを決める。

脇役

●村上乃愛(むらかみ のあ)新中学三年生。中学校は違うが、蝶野菜々と同じ初めて講習会に参加する男子生徒。かなりのイケメンで女子からの人気が高い。毎日自習室で勉強を頑張る蝶野菜々の姿に感銘を受ける。

●登(のぼり)講師。思ったことをズケズケ云うタイプ。荻野智博の熱意溢れる行動に共感を抱く。

●安達(あだち)講師。まだ若く、おどおどしている感じは否めない。登にいつもいじられている。

●中村(なかむら)講師。中堅講師。滝川洗練会を引っ張っている。

●佐々木愛華(ささき あいか)講師。以前荻野が所属していた地区の部下。荻野の公認として奮闘する。

●荻野綾子(おぎの あやこ)荻野智博の妻。流産し、子供を産めない身体になる。

●蝶野良子(ちょうの りょうこ)蝶野菜々の母親。病院に看護師として勤務している。母子家庭でここまで育ててきたが、蝶野菜々の不登校の一件以来、親としての自信を失っている。そのため再婚に焦っている。

●伊藤(いとう)土木業勤務。蝶野菜々の母親の再婚相手。中卒。不登校の名蝶野菜々の様子を知り、高校に行かずに働くよう命令する。かなりの亭主関白で、DVの気が強い。

小説家 ろひもと 理穂

第7話 荻野智博は休職、蝶野菜々は登校拒否となる

心療内科の景山クリニックで、七時間待ってようやく診察の順番がきた荻野智博は、やや緊張した面持ちで室内に入った。

狭い室内には机がふたつ。奥には書類に目を通している初老の医者の姿。

「どうぞ」

そう声をかけられ、何と答えていいのか戸惑いながら、椅子に座る。

荻野智博は状況を手短に伝えた。

妻の流産の話。もう子供が産めない体になった話。落ち込んでいる自分の話。

「そうですか。失礼ですけどね。そこを詳しく話を聞けますか」

医者が敏感に反応したのは、落ち込んでいる時の自分の状態だった。

眠れないこと、食欲もなく、何をしていても同じようなことを考えて苦しくなること。

医者は頷きながら聞いていた。

「仕事は何をしているのですか」

「塾の講師です」

「何時から何時まで働いていますか。そうですか。寝る時間は?起きる時間は?」

 

そんな話のやりとりが十分くらい続いた。

医者はドイツ語かなにかでしきりにメモを取っていたが、

「失礼ですけどね。薬を出しますから。まずは朝昼晩の食後に飲んでください。寝る前にも薬を出しますから」

「あの、私は病気ではないですよね。気持ちを切り替えたら問題なく働けますよね」

荻野智博は悪い予感がして、恐る恐るそう尋ねた。

医者はようやく荻野智博の方を向いて、不審そうな表情を浮かべ、

「病気ですよ。仕事は休んでください」

「えっ!?仕事、休むんですか?」

「失礼ですが、ストレス性の抑うつ状態です」

「抑うつ状態……うつなんですか、私は」

「その手前ですね。失礼ですが、子供を前にこのまま働いていると悪化していく一方です。しばらく休んで、薬を飲んで様子を見ましょう」

「しばらく?どのくらいの期間でしょうか」

「まずは二ヶ月」

「に、二ヶ月も休むんですか」

「失礼ですけど、これが専門家の意見です。それを信じるか信じないかはあなたの問題ですが」

「い、いや、そういうつもりはありませんが。それで、二ヶ月経てば治るのですか」

「治るかどうかはわかりません。ただ、薬を飲んで、リズムよく生活していれば、改善はされます。それではいいですか。ではどうぞ」

無理やり話を終えられて荻野智博は診察室を出た。七時間待って診察はわずかに十五分。

やはり何と云って退出すべきか戸惑った挙句、無言を貫いた。

ただ、その表情は入る前より深刻になっている。

それはそうである。担当している生徒たちは中学三年の受験生、もう間もなく入試を控えているのだ。この状況で長期離脱は生徒や同僚、会社に大きな迷惑をかけることになる。

しかも二ヶ月となると正月をまたいでいた。

冬期講習会も授業に立てなくなる。ただでさえ人手不足の会社の状況で、許される話とは到底思えなかった。

会計を待ち、待合室の席に座っている荻野智博の心はますます落ちていった。

長期間の休職となる。

体を震わせるようにため息が漏れた。

生きていることがこんなにも辛いとは、初めての経験だった。

会社に電話をしなければならない。

無理に働くこともできるような気がした。

他の病院にも行ってみようかと考えたが、あいにく他は新規患者を受け入れてはくれない。七時間以上待ってでも通えるのはこの病院しかなかった。

目を閉じて、授業中の生徒の様子を思い浮かべてみる。

頷きながら真剣に話を聞いている生徒たち。

実に素直な子供たちばかりだ。

でも他人の子供。

自分の子供はこの世にはいない。永遠に誕生することはないだろう……。

心の奥底に重石が感じられた。とてつもなく大きく重い。

そのせいで笑顔がつくれない。こんなにもいい生徒たちばかりなのに。

ここは地獄だ。

やはり私は病気なのだ。

荻野智博は会社に電話をかけた。生きている気持ちも、生きたいという気持ちもまるでない状態だった。

 

一方、そんな景山クリニックから車で一時間かかる場所に、蝶野菜々の姿はあった。

滝川市にある団地の一室。

蝶野菜々はカーテンを閉じて完全に部屋に籠っている。

学校を休んですでに二週間が経過していた。完全に登校拒否と呼んでいいだろう。

食事もわずか。母親は看護師の仕事に行く前に食事を作って置いておいてくれるのだが、食欲はまったく沸かなかった。

やる事もない。

なんでこんなことになってしまったのかという後悔の念だけが急に強くなり、それを必死に押さえ込むことの繰り返し。

友人はみんな将来に向けて勉強を頑張り、大会に向けて部活動に打ち込んでいるのだろう。

それなのに私はどちらからも逃げている。

蝶野菜々の心の内で、どうしようもできない思いが募っては散る。

母親の再婚予定の相手に会うことを、もうすでに三度拒否していた。

それどころではないからだ。

母親にとってもそれどころではないはずだった。

込み上げてくるのは苦しみと怒りだけ。

床に置いてあったティーカップを壁に力いっぱい投げつけた。

たいした音もたてずにティーカップは砕けて、床に散らばった。よく見ると壁はわずかにくぼんでいる。

 

私は何をしているのだろう。

 

私に何ができるんだろう。

 

自問自答がまた繰り返される。答えはまったく見つからなかった。

この苦しみは永遠に続くのだろうか。

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