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【第6話】荻野智博は心療内科に向かい、蝶野菜々は母親から決心を聞く

未来は決意と出会いで変えられる

主役

●荻野智博(おぎの ともひろ)塾講師歴15年のベテラン。厄年の40歳。妻の流産、もう子供ができない身体であることを知り失意のどん底へ。約五ヶ月の期間、会社を休職し、新しい地区で復帰。そこで同じように数か月間登校拒否で苦しむ蝶野菜々に出会う。

●蝶野菜々(ちょうの なな)中学二年生。部活のトラブルで登校拒否になり、約五ヶ月間引きこもる。たまたま自宅にポスティングで届けられた塾の広告チラシを見て勇気づけられ、中学三年生の春期講習会に参加することを決める。

脇役

●村上乃愛(むらかみ のあ)新中学三年生。中学校は違うが、蝶野菜々と同じ初めて講習会に参加する男子生徒。かなりのイケメンで女子からの人気が高い。毎日自習室で勉強を頑張る蝶野菜々の姿に感銘を受ける。

●登(のぼり)講師。思ったことをズケズケ云うタイプ。荻野智博の熱意溢れる行動に共感を抱く。

●安達(あだち)講師。まだ若く、おどおどしている感じは否めない。登にいつもいじられている。

●中村(なかむら)講師。中堅講師。滝川洗練会を引っ張っている。

●佐々木愛華(ささき あいか)講師。以前荻野が所属していた地区の部下。荻野の公認として奮闘する。

●荻野綾子(おぎの あやこ)荻野智博の妻。流産し、子供を産めない身体になる。

●蝶野良子(ちょうの りょうこ)蝶野菜々の母親。病院に看護師として勤務している。母子家庭でここまで育ててきたが、蝶野菜々の不登校の一件以来、親としての自信を失っている。そのため再婚に焦っている。

●伊藤(いとう)土木業勤務。蝶野菜々の母親の再婚相手。中卒。不登校の名蝶野菜々の様子を知り、高校に行かずに働くよう命令する。かなりの亭主関白で、DVの気が強い。

小説家 ろひもと 理穂

第6話 荻野智博は心療内科に向かい、蝶野菜々は母親から決心を聞く

進学塾の講師である荻野智博が、市内にある心療内科に片っ端から電話をしたのが今朝の九時のことだった。

どこの病院も新規の患者を受け入れられないほどいっぱいで、唯一受け入れてくれたのが街中にほど近い場所にある景山クリニックであった。

自宅から車で病院に向かい、狭い駐車場にその車を置いて、受付をしてからすでに五時間が経過していたが、患者の数もほとんど減らず、順番はまったくまわってくる気配がない。

 

「あの、荻野といいますが、順番はまだでしょうか」

しびれを切らせて受付に問い合わせる。服装は仕事に出かける時のスーツ姿だ。

「そうですね。前にまだ八人いますね」

「どのくらいかかりますか」

「さあ、それぞれ時間が違うからなんとも云えません」

視線を荻野智博に合わせることなく、忙しそうに受付の女性は答えていた。冷たい、まるで無機質な印象を荻野智博に与えた。

「そうですか……」

ため息をつきながらもとの席に戻った。

 

頭ではわかっていてもどうすることもできない心の動きに荻野智博は困っていた。人生で感じたことがないほど、心が落ちている。しかも何をしても割り切ることができないでいた。

その解決のための心療内科である。

ここにはうつ病の患者や、その一歩手前の抑うつ状態の患者が治療に訪れていた。

心の病気を治す場所。

荻野智博は、医者から「病気ではないよ」と一言云ってほしかっただけである。それでまた頑張れる。

席に座ると同時に心が沈んだ。

周囲を見渡すと、同じように肩を落とし手元のスマートフォンを見入っている女性やぼんやりとしている老人が目についた。荻野智博と同じくらいの歳の男性もいる。一応に皆、表情は暗い。生気の欠片もなかった。

自分もそんな人たちの一員なのかと思うと、さらに心が重くなる。

つい先日まではこんな場所とは無縁な世界で汗水流していたはずなのに、今はこの病院以外には自分を救ってくれる場所はないと思っている。

待合室は広く、ソファーの他に畳の部屋もあり、どこも人で溢れていた。

こんなにも心に病を負った人たちがいるとは、荻野智博には驚きだった。

長時間待っている患者たちの間を、掃除のおばさんがぶっきらぼうに席や本棚を拭いて周っている。

それ以外に音を発しているのは壁にかかったテレビだけ。

しかしどんなニュースも荻野智博の心には届いてはいない。

待合室の中央には熱帯魚が泳いでいる水槽が三つほどあり、荻野智博はしつこいほどため息をこぼしながら、ずっとそれを眺めていた。

診察の順番が来たのは午後四時を過ぎていた。実に七時間は待っていたことになる。

気が狂いそうになるほど長い時間の中にいた。

「荻野さんどうぞ」

看護師に招かれて、荻野智博はゆっくりと立ち上がり、静かにため息をこぼすと、診察室へ向かっていった。

不安や緊張、微かな希望を胸に荻野智博は診察室のドアを開くのだった。

一方、荻野智博の住む場所から南へ車で1時間ほど離れた場所にある滝川市。

十一月にもなると北海道の日が沈むのは早い。午後四時で辺りは真っ暗になっていた。

ここには母子家庭の中で育ち、部活を退部、学校も登校拒否中の蝶野菜々の家がある。

この三日間は家の外にすら出てはいない。

狂った歯車はそう簡単に戻せなかった。

一度休んでしまうと、学校にも顔を出しにくい。日増しに、こんなことになるはずじゃなかったという後悔が強くなってきている。

たかが部活のレギュラーを後輩に獲られただけの事なのに、私は自分の人生をどんどんダメにしているという実感だけが沸いてきた。

母親が話があると云ってきたので、蝶野菜々は意を決して自分の部屋を出てリビングに現れた。

バレー部を退部した話か、それともここ数日学校に行っていない話か、そのどちらか、または両方だろうと思っていた蝶野菜々に、母親はまったく意表の突いた話を繰り出してきた。

 

「ママね……再婚しようかと思っているの」

 

蝶野菜々は母親に男がいることを感づいていたし、再婚することにも別に反対するつもりはなかったが、まさかこのタイミングだとは思ってもいなかった。

娘が道に迷っている状態を放り出して、自分の幸せを追い求めるとは……。さすがにショックを隠し切れない。

そんな表情をどう読み取ったのか母親は、

「もちろん菜々が反対するなら考え直す。少し考えてみてちょうだい」

そう云って母親はすぐに話題を変えた。

退部したことにも、学校に行っていないことにも触れてこない。学校からはすでに連絡が来ているはずなのに。

 

私に愛想を尽かせてしまったのだろうか、と蝶野菜々は思った。

自然と涙が溢れてきた。

声は出ない。言葉を探したが見つからなかった。

母親には母親の人生があるし、私には私の人生がある。そう割り切っていたのに、いざ現実に直面すると、強烈な孤独感に襲われた。

 

私はどこを向いているのだろうか。

 

私はどこに向かっているのだろうか。

 

繰り返し繰り返し同じ問いが、蝶野菜々の頭の中を巡っていた。

 

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