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【第4話】蝶野菜々、自宅に引き籠り、メッセージカードを手に取る

未来は決意と出会いで変えられる

主役

●荻野智博(おぎの ともひろ)塾講師歴15年のベテラン。厄年の40歳。妻の流産、もう子供ができない身体であることを知り失意のどん底へ。約五ヶ月の期間、会社を休職し、新しい地区で復帰。そこで同じように数か月間登校拒否で苦しむ蝶野菜々に出会う。

●蝶野菜々(ちょうの なな)中学二年生。部活のトラブルで登校拒否になり、約五ヶ月間引きこもる。たまたま自宅にポスティングで届けられた塾の広告チラシを見て勇気づけられ、中学三年生の春期講習会に参加することを決める。

脇役

●村上乃愛(むらかみ のあ)新中学三年生。中学校は違うが、蝶野菜々と同じ初めて講習会に参加する男子生徒。かなりのイケメンで女子からの人気が高い。毎日自習室で勉強を頑張る蝶野菜々の姿に感銘を受ける。

●登(のぼり)講師。思ったことをズケズケ云うタイプ。荻野智博の熱意溢れる行動に共感を抱く。

●安達(あだち)講師。まだ若く、おどおどしている感じは否めない。登にいつもいじられている。

●中村(なかむら)講師。中堅講師。滝川洗練会を引っ張っている。

●佐々木愛華(ささき あいか)講師。以前荻野が所属していた地区の部下。荻野の公認として奮闘する。

●荻野綾子(おぎの あやこ)荻野智博の妻。流産し、子供を産めない身体になる。

●蝶野良子(ちょうの りょうこ)蝶野菜々の母親。病院に看護師として勤務している。母子家庭でここまで育ててきたが、蝶野菜々の不登校の一件以来、親としての自信を失っている。そのため再婚に焦っている。

●伊藤(いとう)土木業勤務。蝶野菜々の母親の再婚相手。中卒。不登校の名蝶野菜々の様子を知り、高校に行かずに働くよう命令する。かなりの亭主関白で、DVの気が強い。

小説家 ろひもと 理穂

第4話 蝶野菜々、自宅に引き籠り、メッセージカードを手に取る

 

布団から顔を出した状態で蝶野菜々は天井を眺めていた。その耳にはスマートフォンにつながったイヤホン。繰り返し繰り返し、同じ音楽が鳴っている。大好きなKREVAの曲がリピートされていた。

学校にはもう三日も出席していない。

理由は風邪ということになっていたが、実際は熱などない。平熱だった。むしろ生きる情熱を失ったと云うに等しい状態だ。

母親は看護師の仕事に出かけ家の中はガランとしている。

寝返りをうつ力も沸いてこない。同じ曲がリピートされるのもこれで二十回目。

蝶野菜々は今まで打ち込んできたバレーボールを捨てた。

後輩にレギュラーの座とユニフォームを奪われた。自尊心は粉々に砕かれ、すべてが嫌になった。世界にあるあらゆることへの興味を失ったのだ。

バレー部を退部したことを母親には云っていない。

それが蝶野菜々に残されたプライドの最後の欠片だった。

三日も学校に行っていないというのにLINEには誰からもメッセージはこなかった。誰も心配なんてしていない。自分のことでいっぱいだからだ。

仲間や友人なんて所詮はそんなもの。時間合わせの時間稼ぎに顔を突き合わせ、話を調子よく合わせているに過ぎない。

それでもお腹は空いた。

心は生き続けることに絶望しているのに、体は生き続けることを欲している。

どちらが本当の私なんだろう。

そんな思いを巡らしたところで答えはでない。

蝶野菜々は布団をきちんと折りたたんでから部屋を出て、リビングに向った。

テーブルの上には、母親の作ったサンドイッチが二つ置かれていた。

メッセージカードも置いてある。

蝶野菜々はカードには目を向けずにサンドイッチを咥えながら冷蔵庫を開けた。

ペットボトルのお茶を取り出し、コップに注ぐ。

背後のテーブルに母親の気配を感じた。なぜか罪悪感が募る。

そんなはずはない。

私は何も悪くないのだ。

母親に男がいることは以前から察知していた。どんな男かはわからない。おそらく母親が勤める病院の関係者だろう。

医者ではない。同僚でもない。だとしたら患者しか考えられない。

どうでもいい話だった。母親には母親の人生がある。母親はまだ三十代。再婚する機会は充分あるし、そうすべきだろう。

その代わり私には私の人生がある。それを受け入れるのも、受け入れないのも私の自由だ。

そう考えて二つ目のサンドイッチに手を伸ばした。

メッセージカードの隅が目に入る。慌てて顔を伏せた。

勉強はできない。できないというよりも、しない。面倒くさいし、面白くないからだ。

その代わりに運動は得意だった。それで蝶野菜々は自分のバランスを取ってきた。

今はそのバランスが崩れつつある。

すると身動きとれない苦しさに襲われた。

勉強はできない。できないというよりも、今更何をしていいのかわからない。何かをしたところで焼け石に水だった。

別にたいして勉強ができなくても地元の高校なら誰でも入学できる。なにせ高校入試の倍率が1.0倍をきるくらいなのだ。つまり定員割れ。高校に進むのに無駄な努力は必要なかった。

ガラン

玄関で何か音がした。

蝶野菜々がそこへ向かうと、新聞受けの中にチラシが挟まっていた。

少しだけ目を通すと、学習塾の広告チラシだった。

リビングに戻るとそれをゴミ箱に捨てた。読む必要はない。だって勉強なんて必要ないからだ。塾なんて変人の行く場所だった。学校という牢獄を抜けた後で、なぜ好き好んでまた勉強に束縛されなければならないのか。理解できない。

クラスでも数人が通っているらしい。蝶野菜々の家の近くにも塾が存在している。

いつも部活帰りにその前を通りかかるが、どんな時間でも煌々と電気がついていた。

誰がなんのためにそんな場所に行くのだろうか。

ふと、じゃあ私はどんな場所にいるのだろうかと蝶野菜々は考えた。

ここは、レギュラーから外されたくらいで部活を退部し、学校にもいかず、母親の顔を見ることもなくふさぎ込んでいる場所だ。

最低の場所。

私はなんのためにこんな場所に辿り着いたのだろうか。

サンドイッチを食べ尽くし、お茶を飲みほして、時計を見た。時間はまだ午前十一時。

みんなは今頃、なにをしているのだろうか。

つまらない勉強と、代わり映えのしない話に夢中になっているに違いない。

母親は今頃、なにをしているのだろうか。

それはわからない。病院で働いているのは確かだった。でもその働いている姿を見たことはない。

「夜勤とか云って、実際は男と一緒だったりしてね……」

思わずそう呟いてみる。

いい気はまったくしなかった。罪悪感だけが募っていく。

テーブルの上に置かれたメッセージカードだけが視界にチラついてイライラした。

そのカードを手に取った。

母親から娘を励ます心を込めたメッセージカード。

蝶野菜々は読むことなくそれを破り捨てて、先ほどのチラシと同じようにゴミ箱に捨てた。

私はどこに向っているのだろう。

罪悪感はさらに募り、焦燥感が加わっていく。

イヤホンの向こうでリピートされた曲が三十回目をむかえていた。

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