ポスティング集客ノウハウガイド
ポスティング・集客ノウハウ集

BLOG

ポスティング反響率最大12%が実現できる!?費用対効果を上げる戦略とは

チラシからはじまる物語【第7話】まるがくれたもの

「第7話」まるがくれたもの(前編)チラシからはじまる物語

「チラシからはじまる物語」15篇のストーリー

どこにでもありがちな家族の話、ありえない話。

ほろりと泣ける恋物語から、近未来の話まで、珠玉のストーリーをお届けします。

どの物語もチラシが重要な役割をはてしています。さて、そのチラシが人生にどんな影響を与えるのでしょうか。

あなたのお気に入りの作品に出会えるといいですね。

第7話は「まるがくれたもの」

可愛いトイプードルとの出会い

捨てられていた。。

でも親の器の大きさが

もう、でっかいよ。

「第7話」まるがくれたもの

小学4年の息子が、犬を連れて帰ってきた。茶色のトイプードルだ。

 「どうしたの? その犬」

私の問いかけに息子は犬の頭を撫でながら言う。

 「こいつ、捨てられてたんだ」

捨てられていたからといっても、我が家では犬を飼うつもりなんてない。

 「捨ててきなさい」

息子の目がみるみるまに赤くなる。可哀想だけど、うちはとても犬を飼える状況じゃない。それくらいいくら幼いからといっても、息子だってわかっているはずだ。

 「面倒はボクがみるから」

どんなに頼まれても、飼えないものは飼えない。

  「いいから、元いた場所に帰してきなさい」

若干、強い口調で言ってしまったが、犬だって命ある生き物、簡単に飼ってあげることなんてできない。

息子が犬を抱っこして、ランドセルを背負ったままで玄関を後にする。後ろ姿に小さく「ごめんね」とつぶやく。本当にごめん。

捨てられていた犬を見捨てられないなんて、優しい子どもに育っているんだなとうれしくもなった。あまり自分の要求を主張する子じゃないので、できることなら望みを叶えてあげたかった。いつも自分を押し殺しているから、なおさらのことだ。

 (そうね。犬のサークルをリビングに置けば)

頭の中で、犬と笑顔の息子が浮かぶ。生き物を育てることで、弱いものへの慈しみの心がうまれて、もっと優しい子に育つんだろう。

(ダメダメ。犬なんて飼えないんだから)

慌て考えを否定する。

(やっぱり、可哀想だったかな)

自分がとんでもない鬼親に思えてくる。我が家に鬼は1人で十分だ。2人もいらない。

 「ただいま」

ダンボールを抱えて息子が帰ってきた。

 「そこでね、荷物をもらったんだよ」

ガタガタ動く荷物。なんか怪しい。

 「宅配便のお兄さんが、大切なものだから捨てちゃいけないって」

息子が立て続けにしゃべり続ける。ますます怪しい。もしかしたら…。

 「まさか、犬を帰してこれなかったの?」

今度はほっぺたを真っ赤にして息子がまくしたてる。

  「だから、荷物を預かったの。大事なものだから捨てちゃいけないって」

  「ふーん」

疑いの眼差して息子を見る。どうやら犬を捨てられなかったようだ。

 「宅配のお兄さん、犬も配達するんだね」

 「そうなんだよ」

安心したように息子がダンボールから犬を出す。

 「ほら、まるだよ」

まると呼ばれたその犬は、さっきと同じトイプードル。ダンボールの中には、餌とリードとトイレセットと可愛らしい便箋が入っていた。付箋には、女の子と思われる文字で、「この子をよろしく まる」って書いてある。

 「だから、ダメだって言ったじゃない」

私の声に驚いたのか息子が抱っこしていた犬が、部屋に向かって猛ダッシュした。そして、私が想像していたサークルの場所におすわりして、つぶらな瞳で見つめている。そう。この犬に罪はない。悪いのは、途中で飼えないからと捨ててしまった飼い主だ。

 「わかった。じゃあ。お父さんに聞いてみるね」

犬が飼えるか、飼えないか一番の難関は主人だろう。たぶん、犬なんかとんでもないといって烈火のごとく怒るに決まっている。もしかしたら、犬を外に放り出すかもしれない。そしてその後、私は暴言をはかれるのだ。いつものように。

 「お父さん、まるを飼ってもいいって言ってくれるといいな」

私が主人から暴言の嵐を受けている間、息子は部屋にこもって出てこない。結婚した時は優しい主人だったのに、息子ができて変わってしまった。夜泣きがひどかったため、寝不足が続いたのだと思う。会社で大きなミスをしてクビになってしまったのだ。そのため、転職活動を余儀なくされ、なんとか営業の仕事に就いたものの、これまで営業経験のない主人にはツライ仕事なのだろう。その仕事のストレスを解消するためか、私にあたるようになってしまった。

暴力をふるわないだけ、優しい主人なのかもしれない。それだけが、心の支えにもなっている。だが、主人は息子の目を見ようとしない。まるで家族じゃないみたいに、息子がいることを忘れたいみたいに、その存在をゆるやかに否定している。

息子だって我慢している。私が怒られているときには、物音一つ聞こえてこない。きっと、部屋で私と一緒になって暴言を受け止めているに違いない。息子の心を思うと、胸が張り裂けそうになる。

  リビングでまると息子が遊んでいる。

 「まる、今日から、この家の子だよ。もう心配しなくていいよ」

まだ決まったわけではない。が、うまくいく確率はかなり低いだろう。息子のガッカリとした顔が浮かんでは消える。余計に可哀想なことをしてしまったのかもしれない。あのとき、もっとキツく言ってまるを返したほうが傷つかずに済んだのかも、そう思うだけで胸が締め付けられる。

 「そろそろご飯にしようね」

夢中になってまると遊ぶ息子に声をかける。こんなに嬉しそうな息子を見るのは、本当に久しぶりだ。そもそも家で息子は笑っていただろうか。

 「ちょっと待って、まるにもご飯あげるから」

ゴソゴソとダンボールから餌を取り出す。

 「餌あげるのに容器がいるね」

 まるの餌をいれられる容器を探さなきゃ、そうそうサークルも買わなきゃ、役所に登録に行ったら、狂犬病とワクチンの注射をしないと…、でも済んでいるのかな? 

(いやだ。私まですっかりまるを飼う気になってる)

まだ、わからない。本当にまだ結論は出ていないのに。

「ただいま」

ガチャンという音とともに、主人が帰宅した。心臓がぎゅっと痛くなる。玄関の音は、私を処刑しているように聞こえる。と同時に、息子は自分の部屋に戻ってしまう。

 「お、犬か」

ダンボールの中で眠っているまるを見て、主人が言う。

 「うん。拾ってきちゃったのよ」

 「で、飼うのか?」

答えに迷ってしまう。下手なことを言ってしまうと、怒って犬を捨ててこいと言うに決まっている。あまり主人の怒りをかうような言葉を使わないようにしよう、それだけは硬く心に誓った。

 「飼うつもりなのか?」

声を低く、脅すようにして主人が聞いてくる。それだけで、体が硬直してしまって、返答をすることができない。どうしよう。何かを言わないと。でも、言えない。冷や汗が流れる。

 「いい加減な気持ちで犬を飼うつもりか」

キツイ目をして、主人が凄んでくる。怒り初めのサインだ。ますます、言葉を失ってしまい、何を言ったらいいのかわからなくなってしまった。それでも、何かを言わなくては、よけいに怒りをかってしまう。

 「わ、私はどうするのか、まず聞いてからって思って」

 うわずった声で返答をするのが精一杯だった。まな板の上の鯉、いやダンボールの中の犬だ。どうすることもできない。たぶん、私が何を言ったとしても、主人はお説教を始めるだろう。

 「命を軽く見るな」

思ったとおり、主人のお説教タイムが始まる。そう思うだけでいたたまれない気持ちになってしまう。沈黙は金なりということわざがあるように、こんなときには黙っているのが最善の策だ。主人には反抗なんてできない。どうしても、絶対に。言い返すなんて、やってはいけないことなのだ。

 「いいか、犬と言っても命だ」

いつになく強い口調で繰り返す。それくらい、わかっている。でも、ここは黙るしかない。嵐が過ぎるのをじっと待つ。 

 「お前らは、犬を飼うつもりなのか」

主人はすごみ続けている。

 「いいいいえ。そんなつもりじゃ」

そう答えるのがせいいっぱいだった。 

 「じゃあ、なんで犬がいる。答えろ」

大声で怒鳴られてしまった。

 「どういうつもりなのか、答えろ」

犬は保健所に引き取ってもらおう。仕方ない。この家では、主人がすべてだ。こんな暮らしができるのも主人のおかげ。どんなに息子が泣いたとしても、主人の機嫌をそこねることなんて絶対にできない。

 「ワワン、ワン、ワン、ワン」

突然、まるが吠え始めた。そして、息子が真っ青な顔で自分の部屋から出てきた。

 「ダメだよ。まる」

まるをぎゅっと抱きしめて、言い聞かせるように言う。

 「お父さんに反抗したらまるも、捨てられるよ」

実は、息子と主人には血の繋がりがない。私は、息子を妊娠中に相手の男に捨てられた。それを不憫に思って、面倒を見てくれたのが主人だ。息子は、その事実を知っている。そして、知っているからこそ、主人にも捨てられないように反抗一つしない。

 「あんまり鳴いているとお父さん会社クビになるよ」

自分の夜泣きのせいで、主人が仕事をクビになったことも、負い目になっているのだろう。赤ちゃんをあやすみたいに、息子はまるに話しかけている。

 「ふー」

主人が大きなため息をついた。

 「犬でも反論をするのに」

クリッとした目でまるが見ている。そして、主人が静かに話を始めた。

 「お父さんは、もっとみんなに反抗して欲しかった。なのに、なんで2人ともお父さんに何も言わない」

大きく伸びをすると、まるの頭をなでた。

 「捨てられると思っていた、そうなのか?」

そうだ。そうなのだ。いつもどんなときでも、頭の中に捨てられたらどうしようと不安がよぎり、主人に反論することができなかった。息子のことばかり考えていたけれども、私だって同じだ。主人に捨てられないように、黙ることが最善の策だと思い続けていたのだから。

  「お父さんは、捨てたりしない。誰も」

急に主人が、優しい口調になった。

 「もちろん、まるもだ」

 「でも、お父さんの仕事は…」

おずおずと息子が聞く。きっとずっと気になっていて、でも聞けなかったことだ。

 「お父さんは、今の仕事で良かったと思ってる。前の会社なんて辞めて正解だっと思うよ」

息子は不思議そうにしている。

 「夜泣きしてくれたおかげで、今の会社に入れた。だから、感謝している」

たとえそれが本心じゃなかったとしても、息子にはうれしい言葉だろう。

 「ホント? ボク、うれしいよ」

 「これまで2人とも何を考えているかわからなくて不気味だったぞ」

主人が笑っている。息子もつられて笑う。そうか、これが家族なのかもしれない。なんとなくそんな気がした。

 「動物病院のチラシ、集めておくね」

もちろん、まるを連れて行くためだ。一度、病院で診てもらって、狂犬病とワクチン接種を受けさせないといけない。それに、役所に行って登録もしないといけないな。

  「ありがとう、お母さん」

主人からお礼を言われるなんて初めてかもしれない。「ありがとう」の言葉が私の心に満ちていく。よし。がんばっていっぱい集めなきゃね。

朝、いつもよりも早く息子が起きてくる。

 「おはよう」

主人はのんびりとコーヒーを飲んでいる。

 「おー。まるの散歩なら行ってきたよ」

 「お父さん、ずるいよぉ」

まるが来てからこの家は変わった。そう、まるで家族が輪になった。

無料eBook:攻めの集客ノウハウ完全ガイド

無料eBook「ディマール(Dimar)」では、集合住宅のマーケティング手法からポスティングの効果と業種別の具体的な集客方法まで施策内容をまとめたPDFを無料で提供しています。

本書はポスティングの効果と、具体的な施策内容を全20ページに渡って詳細に解説しているものです。マーケティング戦略によるポスティングの目的はたった一つだけ。それは「売上をあげること」です。そして当社の全く新しい手法を実践して頂くと、競合他社に比べてお客様を獲得し、売上をあげることができます。

もし、集客でお困りなら、下記より必要事項を入力後にダウンロードして頂き楽しみながらじっくりとお読み頂けると幸いです。

是非、貴社の集客マーケティングにもご活用下さい。

私たちは、企業の規模を問わず、それが本当に価値のあることであれば、喜んで集客のお手伝いさせていただきます。


無料eBookをダウンロード

あなたにおすすめの記事

まずはお気軽にお問い合わせください。
03-5879-2213平日 09:00~18:00
ポスティングなのにDM並みのリーチ!
攻めの集客ノウハウ完全ガイド